ヴィル監ハロウィンでポム寮に避難


ハロウィンウィークが始まって数日経った頃。
寮内にまで"マジカメモンスター"に疲弊しきった私に声をかけてくれたのはハロウィンの運営委員長でもあるヴィル先輩だった。
ハロウィンウィークが終わるまではポムフィオーレ寮で生活するよう半ば強制的に連れてこられたのだが。

「お声をかけていただいたのは嬉しいです。嬉しいのですが…な、なぜ、私はヴィル先輩の部屋に…。」
「しょうがないでしょ。客間はハロウィンウィークに必要な物を保管して使える状態じゃないし、この部屋のベッドが一番広いのよ。」

ホリーデー中、スカラビア寮で過ごした時のように客間で寝るのだと思っていた。
が、運ばれたのはまさかのヴィル先輩の自室だった。

豪華かつ品のある先輩の部屋には大きなダブルベッドがある。
それ以外に横になれそうなソファなどは見当たらない。…ということは。

「ま、まままままさか、い、一緒に、寝…!?」
「このアタシが小ジャガに欲情するとでも?」

即答。

「い、いえ!でも私なんかが隣にいると先輩が寝られないんじゃ…。先輩疲れてるのに。」
「!?…ハァ…。アンタ、ごちゃごちゃ言ってないで早くこちらにいらっしゃい。」
「はい…。」

その後も何度か押し問答を続けていたが、語気の強いヴィル先輩に負けてしまった。
もう諦めるしかない。
同じベッドで寝るといっても離れて寝ればいいだけの話だ。

「お邪魔しま…っ!?えあ!?ヴィル先輩!?」

掛け布団にかけた手を思い切り引かれ、一気にベッドの中に引きずりこまれた。
何が起こったのかと顔をあげると真上には眩しすぎるくらいの美形があった。
体にはヴィル先輩の両腕が巻き付きがっつりホールドされている。な、なぜ。
動揺で声も出なければ動くこともできない。

「ったく、騒がしいわね。さっさと寝なさい。」
「だけどこの格好…って、あれ?」

再び顔をあげるとヴィル先輩は寝息をたてていた。

今年のハロウィンウィークはトラブル続きで、対応に追われた運営委員の疲労は想像に難くない。
運営委員長を務めているヴィルさんも、平気な顔をしていたがきっと大変だったんだろう。

ヴァンパイアの仮装を解いたヴィル先輩の寝顔はとてもあどけなかった。

「お疲れ様です、運営委員長。」

まだハロウィンウィークは続くけれど、どうかヴィル先輩の努力が実りますように。
そう願いながら私も夢の中に落ちていった。





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