「何故俺様が貴様の尻拭いをせねばならんのだ。」
「そ、そんな事言わないで手伝ってよ眼蛇夢ぅ!」
8月も末、世の学生達がエンジョイする夏休みも残すところ僅か…
というか、明日から新学期だ。
夏休みといえば膨大な宿題がつきものにも関わらずわたしは殆ど手を付けずに遊びこけていた皺寄せが今になって魔物の様に襲い掛かってきたのである。
一人で片付けられるはずもないので彼氏に泣き付いて手伝ってもらおうという魂胆なのだが、案の定小言を食らっている。
眼蛇夢は意外に忠実な性格で課題なんかはサッサと片付けていた。
「…仕様の無い奴めが。
そういうのは初めに済まさないからこういう事になるんだ。」
「はい…すみません。」
ぐうの音も出ないとはこの事。
全くもって仰る通りで御座います。
夏休みだキャッホーで真昼ちゃんとプールに行ったり女子みんなで唯吹ちゃんのライブを観に行ったり、更には千秋ちゃんの家でお泊まりゲーム大会とか、ソニアとショッピングだとかで遊び三昧だった。
いやぁ楽しかったなぁ!
勿論眼蛇夢本人とも何度も遊んだ。
「…何に手を付けた?」
何が片付いたじゃなく何に手を付けたと聞いてくるあたり、この人本当にわたしを良く分かっていらっしゃる。
「えと…、数学と現代文を少し…、読書感想文は終わりました。」
「世界史と地理は…?」
「全く手を付けておりません…」
それを聞いた眼蛇夢は盛大な溜め息を漏らした。
でも、手伝ってくれるんだ…
なんだかんだ文句言いながらも本当に優しい奴だ。
「お前はまず現代文を片付けろ。
俺は手付かずの世界史と地理の要点を纏めてやる」
「あ、ありがとう!!」
「高くつくぞ。」
「何だってする!!」
この人本当に要領がいい。
現代文と数学をわたしに教えながら世界史と地理の要点纏めもしっかりこなしていた。
分かりやすい教え方にブリーダーより教師の方が向いてるんじゃないかと関心していた。
「お、終わったぁ…!!」
長い時間を掛けてようやく課題を全て片付ける事に成功。
本当に感謝だ眼蛇夢。君が居なかったらわたし今頃死んでいた。
「来年はこんな事になる前に俺に相談しろ馬鹿者。」
「はい…。
…て、あれ?
それって来年も手伝ってくれるって事?」
「あ、甘えるなよ!
次は一切手伝ってやらんからな!」
眼蛇夢は本当に優しいな…
それって来年もわたしの彼氏でいてくれるって約束してくれているようなもんじゃないか。