「ん?おまえは…」
一匹のガジモンが、栞の存在に気づき、にやりと象った口を驚きに変えた。おそらくは、デジモンならではの感覚で、栞が守人だということに気づいたのだろう。
「守人だ!」
「守人だと?好都合だな!」
「エテモン様のところに連れて行くぞ!」
ガジモンの向きが、栞の方へと変わった。栞は一歩後退する。その前に、アグモンが庇うように立ちはだかった。
「栞、ここは僕に任せて!」
「アグモン…!」
「ならお前からやっつけてやる!覚悟しろ!」
「逃げて、栞!…うわあっ!」
二匹のガジモンが、アグモンの身体にのしかかった。反動でアグモンの身体は地面へと倒れる。今ここにいるのは己のみ。すなわち、栞やトコモンたちを守れるのも、自分しかいない。ここへ来る前も、イヴモンに託されたのだ。自分は任せろと言った。守るべき対象に、傷ひとつ付けずに。 パラライズブレス、というガジモンの必殺技が、進化をする術も持たないアグモンの身体に襲いかかった。
「アグモンッ!」
栞の悲痛な叫び声が、滝に反響した。 そのまま、アグモンの身体は地面へと倒れてしまった。アグモンという障害をなくしたガジモンたちは、一斉に栞の方へと向かってきた。為す術も持てず、ぎゅっと目を握りしめた。
「…っ助けて、イヴモン…!」
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