『よくアチキをコケにしてくれたわね!腹が立っちゃったから、この村ごと消滅させて、守人をいただくわ!』
「村ごと、だって…?」
「そんなこと、できるわけが…」
『ダークネットワーク!!』
エテモンの持っていたギターが、黒く光を帯びた。栞の頭が、今まで以上の悲鳴をあげる。彼女の身体は、ふらり、と傾いた。すんでの所で、空が抱きとめる。
「栞!」
「…闇、が、くる…」
辺りにいくつもの電線のようなものが溢れ、それは村を襲い、大きな爆発音とともに、家々を壊し始めた。
「みんな、進化よ!」
栞を支えながら、空はデジヴァイスを持った。それに続いて、ヤマトがデジヴァイスをかかげると、ガブモンはガルルモンに進化した。
『ふふっ!意味ないのよ!ラブセレナーデ!』
「うわーッ!」
『ラブセレナーデ』を受けて、ガルルモンの身体が、再びガブモンへと戻ってしまった。進化をしようとしていたピヨモンたちは、進化をすることすら、出来なくなっている。
「ど、どうしたんだ、みんな!」
「力が、で、出ないんだ…」
「あのラブセレナーデは、戦う気力を奪ってしまうんや!」
「何か、対策はないんですか!このままでは…!」
焦る子供たちに対し、意外にも冷静だったのはデジモンたちだった。
「今のままやと無理や。もっともっと進化せな…」
「ガルルモン以上に進化しろってことか!?」
「だから、ゲンナイさんはタグと紋章を手に入れろって言ったのね…!」
「いや、だ、やみ、が…くる…!」
「栞…!!」
再び爆発音が響き、栞は耳を押さえ、座り込んでしまった。大きな闇が、せまり来るのを、彼女は身を以て感じているのだ。
空とミミで、彼女の身体を持ち上げた。
「こっちに避難できるところがあるんだ!」
「みんな、こっちへ!」
コロモンたちの誘導により、子供たちは奥へと逃げた。栞を囲うように、フォーメーションを組むと、そのまま真っ直ぐ走る。彼らは真っ暗な部屋へとたどり着いた。
今まで苦痛に歪んでいた栞の顔が和らぎ、彼女は目を開ける。
「こ、こは?」
「村に何かあった時は、ここから逃げろって言い伝えがあるんだ」
それから、栞は空とミミにお礼を言うと、自分だけの力で立ち上がった。
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