*会話文のみ


「――あのさ、幸村くん。…近くない?」
「…………気のせいだよ」
「その間がめちゃ気になる!気のせいじゃないよ、だってさっきまで5メートルくらいは離れてたし!」
「全く名前は可愛いな。そんなことで俺の気を引こうとしてるんだろ?」
「おかしいな!話が通じてないのかな!」
「照れなくてもいいよ。俺には、名前以外愛せないから」
「そんなこと近距離で、しかも真顔で言われたら、照れないとか普通無理だと思うの私。つーか話ぶっ飛びすぎでしょ?幸村くんは人の話を聞くとかそういうの頭にないのかな!」
「ふふ、やっぱり名前は可愛いな」

じりじり。

「ちょ、なん、なんで顔近づけ、!」
「名前が可愛いのがいけなんだよ。俺のせいじゃない」
「私のせいでもないと思うよこの場合!」
「…ちょっと黙って、」
「う、…んっ!」
「…うん、やっぱり名前とのキスは甘いな。とろけそうだよ」
「ギヤァアアアアっ!顔から火が出そうだああ!!も、もうやめてよね幸村くん!心臓バクバクだよ!?」
「…そういえば、どうして俺のこと、名前で呼んでくれないのかな」
「え」
「"幸村くん"なんて他人行儀くさいじゃないか。それにそのうち名前も幸村になるんだから、おかしいだろ?」
「ぶーっ!気、気が早くないかな!」
「今15だから、あと数年すればそうなるよ」
「え、そ、それはその…」
「…名前で呼んでくれないなら、もう一回キスするよ」
「え、ちょ、まっ!」


じりじりじり。


「………」

「せ、せい、」


ガラガラガラ!


「ちょっとぶちょー!今日は俺とテニスしてくれるって言ったじゃないっす、か…」


「……」
「あ…や、やべ…!(サァアアア)」
「た、たすかった、(ほっ)」


すくっ。
すたすたすたすた。

ぎゅむ。


「……赤也」


「は、はい…!(い、いたい!)」
「…テニス、試合しよう、か。本気でね(にこり)」


がらんっ!
どたどたどたどた。


「お、俺が悪かったっスー!あああああああ!!すみません!マジすみません!!」
「何を謝る必要があるんだよ、俺が直々にテニスの試合してあげるんだから喜んだらどうだい?」
「イヤァアアアアア!!」


「……切原くん、ご愁傷様」


不憫には思うけど、私自分が一番かわいいの!ごめんね!


「…まーたやったのかよ、赤也は」
「あいつもこりねえよな」
「幸村だけは怒らせたらいけんとあれほど言ったのにのう」
「切原はたるんどるのだ」
「しかしこのままだと名字が精市の名前を呼ぶ確立は48パーセントだな」
「それはまた微妙な数字ですね…」

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