なんで戦っとるかって聞かれても、そんなん答えられへん。やって、こんなんただの『戦争ごっこ』やろ。武器握って、敵と戦って。かといって、実体とちゃうからうちらが死ぬことはほとんどない。こんなん、ゲームとかごっこ遊びの世界や。せやけど、それでもスリルを味わうことはできる。このスリルがある限り、うちがボーダー辞めることはないんちゃうかな。たぶん、やけど。
自分が戦う理由なんて、そんな大げさなものはないかなぁ。女の子が困ってて、助けを求めているのなら、そこに「助ける」以外の選択肢はないんだよねぇ。だって、女の子って可愛いし。そりゃあ自分も生物学上は女だけど、守られるのは性に合わないし。でも、まあ……自分のことを女扱いして、守ろうとする奇特な存在が現れたら、なにかが変わるのかもしれないね。それまでは守る側でいさせてよ。
僕は自分のために戦ってるよ?そんなの当り前だし、馬鹿なこと聞かないでよ。大体ね、あんな化け物がいたら、また僕の顔や体が傷つけられるかもしれないでしょ。そんなの断固拒否だし。あり得ない。ほんっとにあり得ないから。だから僕は、僕のために強くなって、向こう側の奴らを全員やっつける。それを邪魔するようなら、味方でも怒っちゃうからね?
戦うことは、すごく怖い。トリガーを握ることも、あの大きな化け物を視界に入れることも、怖くて怖くて仕方がなくて。何度戦って、何体倒しても、恐怖心が消えることはない。でも、戦う術を持たないことの、無力であることの怖さも知っているから、わたしは弱くても戦わなくちゃいけない。大好きな人との、大切な日常のために。臆病なわたしでもできることが、きっとあるから。
人は宝の持ち腐れだと言うけれど、それでもわたしはトリガーを握ることが出来なかった。公だって、震えながらも立ち向かっているというのに、わたしは安全な後方にいることしかできない。でも、そんなわたしでもいいんだって、そのままでいいって言ってくれる人がいるから。みんなとは違う舞台になるけれど、情報で戦うよ、わたし。みんなのことを、守るからね。
弓月には、戦うことしかできないです。戦うことは特に好きではないけれど、戦うことは得意です。だって、これでも戦ってきた年月は長いですから。弓月にな戦うことしか価値がない、なんて言ったら優しいみんなはきっと怒るです。そんなことないって言ってくれるです。でも、パパは……わからないです。いつか殺されることはわかってるけど、やっぱりパパに捨てられるのは、嫌ですね。
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戦う理由 / 独白