風間さんは、後ろを振り返ることはない。必要なものはその両手に握って、まっすぐ前に向かって進んでいく。だからわたしは、置いていかれたくなくて、愚直に追い続けていた。

呼び留めて、立ち止まらせることなんてできないから。無様でも不恰好でも、あの凛と伸びた背に向かって足を動かすことしかできないと。

「風間さん、」

この声は、あなたに届いているのかな。少しでも、あなたの記憶に留まることができているのかな。あなたといたい。あなたの隣で戦いたい。それだけを胸に、わたしは今日もあなたの姿を追っている。





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追いかける