黒いルフが舞い上がる。それらはわたくしの思い通りに姿を変え、水を、氷を作りだす。わたくしの得意な魔法。あの方が与えてくれた、わたくしの生き方。
ルフを操るたびに水は氷に変わり、氷の先は鋭く尖っていく。白いてのひらを前に突き出せば、無数の氷は肉を切り裂き、骨を貫いて地面に突き刺さる。赤く染まる氷に、口角は自然と上がった。
「さあさ、わたくしの実験台におなりなさい。家畜には勿体ないくらいの最期よねぇ?」
一歩踏み出すごとに、パキパキと音を立てて凍っていく地面。手を振りかざせば氷が生み出され、振り下ろせば敵兵に向かって飛んでいく。恐怖に歪んだ顔に小さく嬌声が漏れた。そんなにわたくしが怖いのかしら。
「……でも、まだよ?」
まだ逃がさない。だって、もっと力が必要なんだもの。あの方の、ジュダルさまのお力になるには力が足りないの。わたくしは力が欲しい。だからそのために、どうぞ犠牲になって。
「わたくしのために、死んでくれるわよねぇ?」
恐怖に染まった断末魔が、いくつも夜空に響いた。
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