三輪との初対面は、最悪だったと思う。三輪にも三輪の事情があった。そう理解していても、苦手に思ってしまうのは仕方のないことだと思いたい。

三輪とわたしの決定的な違いは、姉を殺した近界民に復讐をと立ち上がって前に進んでいく三輪に対し、わたしは姉を攫った近界民に立ち向かうことすらできずに逃げてばかりいるところだ。わたしには、三輪のような強さがない。そう出水にこぼしたら、出水はおかしそうに笑っていたけれど。

「あれを強さだって言うなら、公さんには強さなんていらないよ」

出水が言ったことの意味が、まったく分からない。むっと眉を寄せるわたしに、隣にいた米屋は、どこかいつもと異なる笑顔を見せた。

「公さんはさ、秀次が嫌い?」
「……べつに、きらいじゃない」
「ならさ、待ってやってよ。秀次はまだ、自分が納得できる答えを持ってないから、つい敵のように構えちゃうんだよなー」

困ったような、それでも優しい雰囲気の米屋に、気づけば小さく頷いていた。いつか、でいい。警戒心が強くて敵ばかり作ってしまう彼とわかりあうことができたら、わたしはとても嬉しい。





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警戒心の強い人