@rkrn/麻子ちゃんと
罠を組み上げる指先はいつだって迷いなく、それでいて美しい。私にはない発想で作られた罠は豪胆で、繊細な面もあって、直向きなまでにただ過激だった。「おい、麻子……っ!?」罠にかかった所為で「やりすぎだ」と叫んだ声が遠ざかっていく。ばぁい、と揺れる華奢な手に胸がきゅっと締め付けられた。
Arkrn/望ちゃんと
海さん、と呼ぶ声が擽ったい。いつだって凛とした背に、何度も支えられた。委員会活動だけではなく、授業だってそう。名前を呼ばれて落ち着いた瞳に見つめられると、しゃんとしなくちゃって思う。「ありがとう、望ちゃん」なにが、と細められた双眸に笑う。貴方はいつだってそう。正しさを突きつける。
Brkrn/辰弥さんと
なんとなく、甘やかされていると思う。「おいで、海」嫋やかな手に誘われて隣に立てば「少ないから内緒だよ」と唇に指先が触れる。二人分の饅頭にこくりと頷いて、ふと視線を彷徨わせた。「た、」「た?」「辰弥さんとも、お茶したいです」勘右衛門への言い訳も考えてくれる?と笑う姿に小さく頷いた。
Crkrn/鉢くおと
「ね、鉢屋くん」仮面の奥の瞳が絡み合う。お互いに一番ではないけれど、お互いの一番を大切に思っていることを知っていた。「もしもの時はね、私たち」しぃ、と薄い唇に差し指が立てられる。緩く揺られた首は、柔らかな拒絶。「ここから先は、刃に心を隠して生きてくれ」どうか無事で、と遠去かる背。あと一歩、たった一歩。伸ばした手が届いたなら、きっと4人で笑える未来があったんじゃないかなぁ。「…ぁ、」苦無が喉を裂いて、溢れた血潮がだいすきなひとを濡らしていく。弱くてごめんね。ぱちり、瞬きすれば夢見た未来は消えて、冷たい現実が突き刺さる。いいこ、と撫でる手にそっと瞼を伏せた。
Dkrk/花霞
「貴方って、顔だけは良いのよね」室内スポーツをしていて、かつインドアな影響もあり日に焼けていない頬に指先を滑らせる。長い前髪から覗く瞳は不機嫌そうに歪んでいた。「テメェにも刺さんだろ」ふは、と独特の笑みを零した貴方に肩を竦める。お互いに、相手の顔を気に入っていることを知っていた。
Erkrn/勘海
雨の日は好きだけれど、湿気が多いと膨らんでしまう髪は厄介。いつもより増えて見える髪を指先で摘む。うーんと唸っていると「どうしたの」と声がかかる。「髪、今日も膨らんじゃった」「ああ、雷蔵もすごかったよ」だよね、と納得。「結うのが大変なの」「今度やらせて、俺に」それはちょっと、役得。
FWT/隠岐碧
あの子の周りには、いつもひとがいる。休憩時間。にこにこと笑っていた碧山さんと目があうと、あ!とこちらへ近づいてきた。「この前はありがと!あのね、お菓子持ってきたの〜」「そんなんええのに」お礼だよ〜と渡された紙袋。ちょん、と触れた指先は相変わらずほとんどがカーディガンに隠れていた。
GWT/隠岐碧と水上くん
「最近仲良くしてるんやな、めずらし」「そうですか?」本部で碧山さんと話した後、それを見ていた先輩に言われて首を傾げる。「同級生と会話をするくらい、普通やと思いますよ」「さよか」自分から振っておいて、さほど興味はないらしい反応に苦笑い。そんなに珍しいやろか。どうしてか、心に残った。
HHQ/黒早恵
身長差もあるから手を繋ぐよりも腕を組むことのほうが多くて、恋人になって数ヶ月経った今も少しだけ照れくさい。そんなわたしを嬉しそうに見つめる視線もあるから、余計に。「……あんまり見ないで」「あ、ごめんな、でもなんか、やっぱり嬉しいんだよな」早恵ちゃんといれて、と笑う彼。好きだなあ。
IWT/隠岐碧
何もない道で躓いて転んだ。はずかしい。ゆっくりと立ち上がって手で膝を払うと、少し赤くなっていた。とと、と軽い足音が隣で止まる。「怪我してへん?大丈夫?」心配そうな視線に胸がほかほかとする。えへ、と眉を下げた。「平気だよ〜!心配してくれてありがと〜」情けないところ、見られちゃった。
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