@WT/みどり
身の丈ほどの大太刀を振るう。セットを潰す代わりに普通の弧月よりも頑丈なそれは、相手の弧月を折った。「っだあ!反則だろ、それ!」「やぁね、A級の特権よ。あと寺島の趣味」弧月を再度出し、こちらへと詰める相手をアステロイドで牽制すれば、諦めない瞳と交差する。これだからボーダーは楽しい。
AWT/みどりと21歳組
締めのラーメンを吸い込んでいく寺島に、自分で頼んだラーメンを押しやる。「なに、もういらないの」「ダイソン寺島見たくて」ぎゃははと汚い笑い声をあげる外野を軽く蹴りながら、レンゲにスープを掬って寺島の口へと運ぶ。スパンッと頭を叩かれた。「殺す気か」冬島さんはこれくらいで怒らないって。
Brkrn/勘海
転寝している勘ちゃんの、投げ出された手をそっとなぞる。小さな頃は同じくらいだったのに、不思議。甲から指を辿って、短く整えられた爪先に触れる。「……なぁに、悪いことしてる?」不意にきゅ、と指先が摘まれて肩が跳ねる。そのまま指が絡まって、じわりと熱が伝わった。悪いこと、してるかも。
Crkrn/勘海
「鼓動の回数、決まってるんだって。人生の」読んでいた本を置いて、軽く凭れてくる海に相槌。背中から伝わる鼓動は少し早いような気がして、見下ろせば髪から覗く耳が赤くなっていた。「じゃあ、俺が殺しちゃうんだ」それは困るから、もっと慣れてもらわないと。お腹に回した腕の力をそっと強めた。
DWT/犬公
蜂蜜色の瞳に見つめられると、不思議と力が抜ける。それからやっと、少し無理をしていたかもしれないと気づく。「犬飼、お昼寝する?」「…あは、いいね、それも」抱きしめて、肩に顔を埋める。背中を撫でる小さな手。みんなに公ちゃんを甘やかしていると言われるけれど、甘やかされているのはおれのほう。
EWT/冬みど
傷を負った右眼があまり見えていないのだと聞いて、なるべく彼女の左側に立つようにしている。歩いている時は右側で死角を補うようにしているけれど、そうするとどうしても車道側を歩かせることになって悩ましい。そう伝えると「なぁに言ってんの、守られるほど柔じゃないっての」と、からりと笑っていた。しっかり者の彼女は大抵のことをひとりで解決する。美しく、自立した女性だ。それでも。「守りたい、つーか……少しでも支えになりてぇの。みどりちゃんがしっかりしてんのは分かってるけど」一拍置いて、柔く笑む表情に見惚れる。「いつも支えられてる、ありがと」強い彼女の柔い部分が愛しい。
Ftkrv/蘭ルミ
危険なひとだって分かっていて利用しあったのは私。妹は巻き込んだだけ。その負い目から、いつも一歩引いたところにいた私を強引に自らの立ち位置まで引き上げた男。それが、蘭。目の前で笑みを浮かべる蘭をじとりと見ても「ん?」と首を傾げられるだけ。私が自分の物だって疑いもしない、憎らしい顔。
Gtkrv/竜ルイ
「ねえ、竜胆」「んー?」「見てあれ」睨む姉を笑顔で見つめる兄を指差す。うげえ、と顔を顰めた竜胆が面白い。身内しかいない場所なら彼の表情はよく変わる。「兄ちゃんらに巻き込まれる前に部屋行こ」当然のように私の手を引いて、自室へと向かう竜胆。幼い頃からずっと、貴方は私を置いていかない。
HWT/犬公
出会った頃は細すぎる印象だった彼女も、最近は少しずつ健康的になったように思う。血色が良くなって、繋いだ手は柔らかい。少し前は握れば指を折るんじゃないかって心配だった。「…ついてるよ、ほっぺ」「んむ、」口許についたチョコを指先で拭う。デザートまで食べられるようになって、よかった。
IWT/犬公
『今日会える?』の通知に『うん』と返してから教室を出る。今日は非番だから本部でも良いし、帰っても良い。どうしようかな、と靴を履き替えて校門に向かうと見慣れているけれど、見慣れない後ろ姿。近付いて袖を掴む。「犬飼?」こちらを見る蒼色が柔く細められた。そういえばこれからの予報は、雨。
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