@rkrn/勘海生存IF
狭い部屋で膝を寄せ、それから瞳を重ねて「辞めようか」と告げる。海はくしゃりと顔を歪めて「ごめんなさい」と泣いた。本当に謝るのは俺で、この子が無理をしていたことなんて在学中から知っていたのに。手首を引いて抱き寄せる。「ふたりで、生きよう」海が死ぬより悪いことなんてない。

Arkrn/勘海生存IF
死を偽装するために切り落とした髪も伸びて、上のほうで結うと下級生みたいで。ちょこんと揺れる髪を、勘ちゃんは気に入っている。少し不自由になった指先でたまに揺らしていた。「また、伸ばす?」「ふふ、うん。だって勘ちゃん、好きでしょう?」貴方が褒めてくれたもの全部、覚えてる。

BWT/冬みど
「あたしが優しくてよかったね、3分で支度しな!」「カップ麺?」「徹夜明けの冬島さんが来んの。あんたたちの顔見るよりあたしだけのほうが癒されるに決まってんでしょ」しっし、と手で追い払う。当然、みんながいることは言っていたけれど、疲れて帰るあの人の負担を少しでも減らしたかった。

CFF14/ラウバーン
「ねえ、やっぱりあなたを1番には思えないわ」「…奇遇だな、吾輩もそう思っていた」幾度も戦場を駆け、多くの時間を共にしたわたしたちは、関係の名を変えようとも優先すべきことは変わらなかった。国、国民、ナナモ様。その次の、次くらいにお互いかしら。「それでも良いのなら、結婚しましょう」戦いを経て、残った手を握る。私の手なんてすっぽり包めるほど大きな手はとっても硬いけれど温かい。「貴様を抱く腕が減ったな」と言っていたけれど、嘘ばっかり。いついかなる時も敵襲に備えて、あなたはいつでも片腕でわたしを抱いていたのに。嗚呼、と頷くあなたの指先を額に当てた。

DWT/太刀川さんと赤坂さん
首が斬られて、トリオンが溢れていく。一戦前はわたしが刎ねたからと言って、仕返しするなんて。得意げな太刀川くんに溜息を吐く。「あなたって、本当に負けず嫌いですね」『活動限界、』弧月を肩に乗せた太刀川くんが笑う。「何言ってんだ、赤坂もそうだろ」『緊急脱出』いえ、それは初耳ですけれど。

EWT/夏々子さんとみどり
貸して、と差し出された手に大人しく手を乗せる。独特の匂いをさせながら黙々と爪先を彩っていくみどりに軽く溜息を吐く。「派手なのはやめて」「任せて、赤色にしたから」ぎゅ、と眉を寄せる。揶揄はあっても私を傷つけるような感情は拾い取れなくて、もう一度嘆息。別に、爪くらい貸すけど。

Frkrn/図書
紙や布擦れの音がするだけの静かな図書室に低い声が落ちる。「あずみ、小平太が未返却だ」少し笑気を含んだ一言に『また?』と小さく息を吐いて、次の瞬間には心臓が跳ねた。「…そう、わかったわ」いつも優しいあずみ先輩の声が冷たい。きょろ、と視線を彷徨わせると隣の望ちゃんは目を輝かせていた。

GWT/赤坂さん
大輪の花が咲き誇るように、深紅の隊服を纏いながら弧月を振るう赤坂さんはいつもと変わらず嫋やかで、目前にトリオン兵が迫っていても微笑ひとつ曇ることはなかった。トリオン兵が崩れ落ちる。情けなく尻もちをついている俺に、振り向く赤坂さんの艶やかな黒髪が揺れる。「ご無事ですか?」

Hrkrn/海さん
くのいちを目指していなくても、それだけの技能があることが惜しい。急所に当たったとはにかむ海を撫でながら的を見ると、しっかりと脳や喉、心臓を模した部分に暗器が刺さっていた。ハズレはなしの、百発百中。「上手になったね」と告げると一際嬉しそうに笑うから、辞めてほしいとは言えなかった。

Irkrn/勘海
海の膝へと頭を乗せる。わ、と声を洩らした海はきょろりと視線を彷徨わせてから、柔く笑みを零した。「お昼寝?」「うん、ちょっと休憩」横を向いて、薄い腹部に顔を埋める。慌てた様子で肩を叩いてくる海が面白い。なぁに、と見上げると真っ赤な顔で「ご飯食べたばかりなの」だって。うん、知ってる。



表紙 / top


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