@WT/祭めえ
あーあ、と思う。遠征も選抜も、結局のところ興味がないけれど、突っぱねる気概もなくて。説明を聞きながら、どうでもよくて、顔を上げる。いつもと変わらない顔に、少し心配の色を乗せたあなたを見て笑う。あなたらしくない。「……ざまあみろって、思ってよ」じゃないとわたし、ばかみたい。
AWT/隠岐碧
ごめんね、と笑う碧山さんに、『なんでやろ』と思ったのが始まり。トリオンが多いからって、それがなんの罪になるん。生まれ持ったもんに、文句つけたってしゃあないのに。「ねえ、わたしといると、危ないよ〜?」「知らんの、おれ、狙撃手やで」目元を隠すサンバイザーを上げてニッと笑った。
BWT/諏訪赤
いろんな検査や処理が終わり、顔を合わせた時。怒ってんのか、悲しんでんのかは分からねえけど、声も出さずに泣いたから。「悪かった」「…っ、ひどい、です」崩れ落ちた赤坂を抱き止める。唇を噛んで、声も出さずに泣いている姿を見て嘆息する。ずっと、こうやって泣いてたんだなァ、お前。
CWT/冬みど
綺麗に整えられた爪先が頬を掠める。バチン、と音が鳴って、頬に熱が広がった。「あたし、謝らないから」「……うん。でも、俺も謝れねぇよ、…ごめんな」「謝ってんじゃん、バカ」みどりちゃんの手のなかで、遺書が歪む。みどりちゃんが読む日は来なけりゃ良いとは、思ってるんだけどなあ。
DWT/犬公
今更なにを言われても傷つくことはないけれど。それを聞いて怒るとは思わなかった。「落ちついて、公ちゃん」カゲに伸ばされた手を握る。言葉より雄弁に語る瞳に射抜かれて眉を下げる。どうしても、なにも。「おれは怒ってないよ、笑って」「ばか、」傷ついた顔をする理由を分かりたくなかった。
EWT/和花
怒るよりも、悲しむよりも、笑っていたい。だってわたしは、なにも損なわれていないもの。手を繋いだ悠一くんが、寂しそうに目を伏せる。「……冷たい、ね」「冬、だもの。冷えちゃったのかな、ごめんね」離そうとした手を、強く握られる。安全だと頭では理解しているのに、心が追いつかない。
Fmhyk/アメリア
視界の隅で炎が揺れる。「あら、まだ何もしていないのに」怯えた顔をする人間に向けて微笑いながら、背中にミチルを庇う。バケモノと言われても、何も感じない。「そう知っていて、手を出したのでしょう?」何百年と言われた言葉を、今更気にするはずもない。袖を握る手に、優しく微笑った。
GWT/めえこ
感情のまま動くには、大きくなりすぎたのだと思う。母の手で荒れた家を見て、込み上げた笑みを飲み込む。「…ばかみたい、」鞄を床に捨てて、トリガーだけを握る。傾いたカレンダーも、バラバラの靴箱も、ぜんぶ。壊してしまえたら良かったのに。トリオン兵が壊してくれたら、良かったのに。
HWT/隠岐碧
無邪気な笑顔の下で、ずっと怯えていると知った時。あかんな、と思った。「なぁに?」カーディガンに隠された指先を握ると、教室にいるのに氷みたいに冷えていた。「…前も思ったんやけど、冷え性やなぁ」そうかな?と笑う姿に目を伏せる。守ったるも、守らせても、多分、なんかちゃうんよなぁ。
IFF14/ノアヤシュ
笑っていても、傷つかないわけではないのに。英雄ばかりを求められるノアを見上げる。「そんな顔、すんなって」俺は大丈夫だから、と笑う貴方が気に食わない。「…あら、そう」顔を背ける。記憶がなくても、英雄でなくても貴方が好き、と言えたら良かったのに。首に残る賢者の印を撫でた。
表紙 /
top
131〜140