提出締め切りに間に合わず、"直接教授の元にレポートを提出をしに行くか"、"もういっそのこと15回出席したこの授業の単位を捨てるか"今の私に残されたのはこの二択の選択肢であった。


友人達が、何日も前からひたすらレポート課題に取り組んでいるのを横目に、"嫌なものは後回しにしよう、何とかなるさ"精神の私は、確実に後者の"単位を捨てる"選択を取りたかったが、

「藤田の所にレポート直接持って行くでしょ?俺、単位もう落とせないし」

『いや、私、この授業の単位捨てようかなって思ってました。直接持ってくとか恐いですし。』

「は?マジ?レポート完成させたのに?」

『まぁ、確かに』

「ねぇ、おねえさんも一緒に提出しに行こうよー。藤田、俺にだけ特別厳しいからさ、お姉さんも居ればちょっとは藤田も過減するだろうし」

「マジでお願い」とヘラッと両手を顔の前で合わせるお兄さんのお願いを断ることはできず、今、2人並んで藤田先生の研究室へと向かいキャンパス内を歩いている。