「ん、っぁん、ふ、…ッぁ」

くちゅ、くちゅ…

「…ねぇ幸村、女の子に気を遣わせる男って最低だと思わない?」
「ん…そうだね。ここに来て初めて意見が合ったんじゃないか、俺達」

ぐちゅぐちゅ…!!

「んむっ、あっあっ、も、精市っ周助…イっ……ッんむううう!!」

大量に流れ出る愛液を外に掻き出され、Gスポットをざらりと中でひと撫でされれば、途端あまりに気持ちいい指遣いに頭が真っ白になった。ビクンビクンと全身を震わせ、精市に口付けられたまま声にならない嬌声を上げて一度達する。目で見ても分かる位に膣口をヒクヒク痙攣させながら、ぐっしょりと濡れた秘部からくちゅりと引き抜かれた周助の指は手首まで汚れていた。絶頂後の身体は気怠く、重く、全く力が入らない。

光の宿らない虚ろに宙を見上げると、視界の端で周助が切れ長の瞳を流し目に、此方を見下ろしていた。視線に気付いた彼は手に纏わりつく愛蜜にねっとりと舌を這わせて見せつけて、あぁ、やっぱり意地悪だ。私の呼吸に合わせて暫く唇を啄ばんでいた精市も頃合いを見てそっと身体を離すと、ふ、と愛しげに微笑みながら、顔にかかる邪魔な前髪を払ってくれた。

「…名前ちゃんて、本当に感じ易い淫乱ちゃんだよね。気持ち良かった?くすくす、本当に可愛いなァ」
「はぅ…はぁ、はぁ…」
「不二…!君ね、俺の名前になんてこと…ッ、ん」

ずいっ。

そこまで言い掛けた精市の唇に、周助は悪戯にぴんと立てた人差し指の先を軽く押し当てる。片手をベッドに突き身を乗り出し、精市をつまらなそうに下から覗き込む、その目は寒々としていてまるで笑っていない。普段よりワントーン低い声で彼は素っ気なく忠告した。

「…ね、幸村。僕達、さっき丁度意見が合ったばかりだよね…?」

周助の言葉を受けて精市はバツが悪そうに口を噤むと、ぱしりと迷惑そうに周助の手を払い除け、綺麗にウェーブ掛かった前髪を掻き上げながら小さく溜息を吐く。

「…、…俺の可愛い名前がそう望むのであれば…ふん」

言いながら、渋々と周助と場所を交換する精市を重い瞼で見つめていたけれど、彼が私の膝を押し開け濡れた股の間に身体を置くと、再び厭らしい恥部が思い切り彼の目に曝されることになる。絶頂の名残でまだまだ熱いそこは、滴る愛液を尻まで伝わせシーツまでべっとり汚していた。何せ、周助に膣を慣らされてからずっと子宮が疼いて仕方ないのだ。何てことない表情でじっとそこを見ていた精市は、ふと姿勢を屈めると濡れそぼった秘部に顔を埋めて鼻先で匂いを確かめた。鼻先とクリトリスが触れそうな距離で、フッと彼の吐いた生暖かな吐息が直に陰唇に吹きかかる。這うような興奮にゾワゾワと腰から震え上がり、あぁ、彼が呼吸する度に感じてしまって、こんなに近くで見られている現実にか細い嬌声が止まらない。

どろどろと蜜を垂れ流しながら、犯される悦びにされるがままに股を開いていた。

「いやらしいな、名前」
「あっごめ、なさ…精市ぃ…ん」
「ふふ…で、俺の舌で舐めたらどうなってしまうのかな?気持ち良いよね、きっと」
「…っ…そ、それは」

そう言って、彼は挑発的な瞳で煽ってくる。少し舌を伸ばせばくちゅりと柔らかな舌先で触れて貰える距離で、触れて欲しい欲は高まるばかりだけれど葛藤していた。精市が私のおねだりを待っているのは分かりきっているし、裏を返せば、私から何かしないと何もしてもらえないということ。彼の焦らしプレイに、足掻いたところで救済の余地は無い。迷えば迷う程、迷う事がどうでも良くなっていくから不思議で、この先彼に隷属する可愛いお人形さんでいるのも悪くは無いと、今にも五感を失いそうな身体がいよいよ悲鳴を上げる。

早く触れて欲しいだけなのに、彼は全然触れてくれないのだ。どうして?おかしくなっているのは、きっと精市の方だ。

「せ、精市ぃ」
「…ふふ、何?名前」

だって私はこんなに気持ち良くなりたいだけなのに。精市とセックスしたいだけなのに。やがてとち狂った自己肯定の意識に、腰は悩ましい緩やかな円を描き始める。普段からは想像付かない甘えたがりの音色が辺りの空気を蝕んでいくようだ…まるで自分のものではないように、その時、紡がれる声は遥か遠くに聞こえていた。

「…んぅ、さわって…っん、早く、はぅ、も、がまんできないのぉ、んっ」
「…へぇ。触るってどこを?上手に言ってごらん、…言えるよね」
「ん、あの、名前のおまんこ、いっぱい舐めてぇ…おねがぁ…ぐす、ねぇ、せぇいち…っひあぁあ"ああ…!!」

ぐちゅ!くちゅくちゅ…っ

「よく言えました。…まぁ、当然だけどね?ハッ…」

フッ、と高みから見下ろす精市の舌が、卑猥な音を立てながらぐっと中に侵入してくる。

「……!!そ、それ、ら、らめ、らめぇ!!せいぃち……あ"ひっっ」

蕩けた入り口より奥に捩込まれた舌先が、熱い内壁に押されながら個体の生き物のように蠢いた。ぐちゅぐちゅと生温かい感触が中で暴れる度、滅多に味わえない、名状しがたい快楽に開いた口が塞がらない。背を反らせてどうにか快感の波を受け流そうとするけれどそれも叶わない。緊張する内壁がどろどろに解され、慣らされた中が僅かな刺激にも過敏に反応してしまう、陵辱されるのがこんなに気持ちいいなんて知らない。イケナイところを舐められるのが癖になりそうで、与えられる甘美な快楽に平伏した身体でアヒ、アヒ、とはしたなく笑ってしまう私の様子に、上から覗き込む周助は嬉しそうに微笑む。

「うわ、名前ちゃん、すごいね」
「あひっ、あっ、ひぅ、ぎもち」

精市が貪るように隙間無く膣口に吸い付いた唇で、じゅるるる!と下品な大きな音を立てて蜜を啜りながら、同時に挿入した舌先で私の一番良いところを擦り上げた瞬間、私はまた達した。

「ッッーーーあ"ぁッ……ーーー!」

ビクンビクン!

収縮した内壁で精市の舌全体を締め付けながら全身を硬直させる。数秒後、ドサリとベッドに崩れ落ちながら涙と汗でボロボロになった顔で茫然とした。霞みゆく意識、まともな理性などありはしない世界に、ただただ沈んでいく。

不意に目の前に二輪の薔薇が差し出された。彼らが胸元に挿していた黒と白の、美しい薔薇だ。視界に映るモノクロのコントラストに何を思うでも無く、噎せるような花の香りにただただ包まれれば心の何処かで安心する。傍で精市と周助は身に纏っていた全ての服を脱ぎ捨てると、鍛えられた程よい筋肉と硬くそそり立った雄を露わにしながら、二人はその眼に怪しい眼光を宿して言った。

「…下はもちろん、俺が先に貰うね。後にも渡さないけど」
「くす、…別にいいよ?僕は彼女の可愛い唇が欲しいし…後で渡してもらうけど」

精市のペニスが膣口に、周助のペニスが唇にそれぞれ押し当てられる。二竿の硬いソレは少々先走っていて、薄い汁があてがわれた部分に擦れて肌を濡らした。


end.