十人十色の天才、とにかく譲らないし今回は貰って行く。そんな二人の強気で負けず嫌いな性格はどうやらテニスに限らないらしく、混ざらない炎と水の摩擦熱に今にも焼かれてしまいそうだと、私は体内に溜まった熱を吐き出すように小さな吐息を漏らした。

「…は…ぁ」

しかし一度局部への愛撫が始まってしまえば、それは次第に色気を帯び、甘くねだるような嬌声へと様変わりしていく。お気に入りの愛しい玩具から零れる悩ましげな声色に思わず端正な顔を歪めて厭らしい目で歓喜するのは丸井くん。文字通り美青年のその風貌に似合わぬギラついた目を此方に向けるのは不二くん。
そうして為す術もない私は薄暗い照明の下、裸体を晒してもじもじと身体をくねらせる、ご馳走とはあながち間違いではない。食う側と食われる側というのは以外とはっきりし易いのだ。特にこういった、ベッドの上では。

「んっ!はぁあ…!やっ、不二く」
「ん?何が嫌なの?くす」
「さ、さっきから…そんなとこばっかり、舐めて…ッ」
「え?だって、嫌じゃないでしょ」

私の股の間で質の良い茶色のストレートヘアが揺れる。膝を掴まれて無理やり左右に大きく開脚させられた両脚は羞恥に震えしっとりと肌を濡らしていた。不二くんは愛液で濡れた陰唇にちゅ、と優しく口付けたり、秘肉を舌先で解したりと繊細な舌遣いで膣のより深い場所を目指していく。そうする彼は決して先を急かさないけれど、かといって私に逃げ場など与えないし結局堕ちるのも時間の問題、全ては私の気の持ちよう次第だ。あくまで彼のテリトリーの範囲で戯れて遊ぶタチの悪いサディストでしかない。極限まで追い詰めて嬲って愛するマニアックな嗜好はどうにかならないものかと、歯を食いしばりながらやめてと懇願するけれど無論、不二くんは聞く耳持たずにクリトリスにむしゃぶりついた。

「ひゃぁああん…!!やらっ、あん!やぁ、不二く」
「ふふ、周助、て呼んでね。名前」
「ンンン…!!やぁあ…!」

そうしてまたぬるりと膣に舌先が差し込まれる感触は普段では味わえないものだ。温かく柔らかい、まるでそれ個体の生き物がチロチロと動きながら膣内を探るのに腰を浮かせて息を呑む。ゾッと背筋にはしったのは嫌悪感か、背徳心か、はたまた性的興奮か。グロテスクな性器を真近に見られた上に舌で愛撫されてもはや私に包み隠すものなどないだろう。自尊心の決壊宜しく、いつしか内壁を舌先でほじくられる快感にうっとりと足の爪先から脱力していく。愛液を垂れ流しながら、もっともっと奥まで舐めて欲しいと思う。

足をだらしなく開脚して恍惚として周助を受け入れながら、発した声は自分でも驚くほどに甘ったるいものだった。

「しゅうすけぇ…っ、あんっはぁん…あはっきもひいっ、んふ」
「ンッ、きもちいいんだ?そんな声出して名前てばイケナイ子だなぁ」

腰を振りながら舌を奥へ誘い込む私に声を弾ませる周助の後方、腕を組みながら呑気に此方を観賞していた丸井くんが妙に感心した面持ちで首を縦に振る。

「…不二って見た目からして舌ワザ凄そうだもんなァ。なんつーか、エロそう。器用そう、しつこそう」
「くすくす、それはそれは、光栄だよ。でも器用なのは君もだよね、丸井」
「いやぁ、それは、どうだろうねぃ。つか、俺挿れるの待ってんだからさっさとイかせてやれよぃ」
「えぇ?何?丸井が先挿れるっていつ決まったの?僕と名前の愛ある激しいセックスでも見ながら壁際で自慰でもしててよ、ね?(にっこり)」
「酷ッ!!お前お、鬼かよ!!」

半ベソの丸井くんを背に微笑しながら周助が私の愛液をじゅるるると音を立てて啜る。十分に慣らされた膣内は熱く火照り、更なる刺激を求めて膨張したクリトリスがピリリと痛んだ。顔の角度を何度も変えてGスポットを狙う彼は容赦無く根元まで舌を差し込むと、中で素早く先端を動かして私の絶頂を促していく。触手にでも犯されているような感覚に陥りながらあまりの気持ち良さに視界を涙で滲ませ、舌を出して私は夢中で悦んだ。

「あんっあんん!周助ッそれきもひいあへっ、イくッイく、らめぇえええ!」
「ん、いいよ。可愛い…イこうね」

くちゅくちゅくちゅ!

「んっんっ!!はぁっイくぅう周助…!!…ッはあああああああん!!!」

襲い来る快楽の波に抗い切れず遂にビクンビクン!と身体を硬直させながら頂点に達した私は、幾度か波打つような痙攣を繰り返した後にドサリとベッドに沈み込んだ。

はぁはぁと肩で息をしてイった直後の朦朧とした意識の中でうっすらと瞳を開ける。気怠い身体だ、思考も追いつかない。周助は私の絶頂の余韻に合わせてすぐには舌を抜かず、やんわりと中で内壁を愛でながら落ち着いた頃に漸く秘部から顔を上げるとにっこりと微笑んだ。

「…くす、イっちゃったね。名前は本当に淫乱の天才だね。そんなんじゃ僕、毎日いじめたくなっちゃうよ」
「はぁ、はぁん……」

そうして彼は唇についた愛液を手の甲で拭ってから、ちゅ、と優しく私の額に口付ける。お尻の割れ目まで愛液でびっしょりと濡れているのがとても気になって、私は少しだけ身じろいだ。


end.
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続き希望の声がありましたので書いてみました。コメくださった方々本当にありがとうございます…!
ブンちゃんのターンも近日中に上げますのでお待ちを…(笑)