今の僕には作り笑いする余裕さえ無いようで、興味本位で近付くには危険過ぎると悟るには少々遅過ぎたのかもしれない。

「そうやって、これからもつい僕に隠し事をして、つい逃げて行くつもり?僕を頼らずに」
「違う!私、そんなつもりじゃ…あっ、あっ、ひあぁ…ッ」
「違わないよね何も…くす、ほら、もうこんなに濡らしているしね?」

くちゅり。

試しに中指をつぷりと根元まで埋めてみると、難なく挿入を許した膣がすかさず中で絡み付いてくる。度々のセックスで僕を受け入れ慣れているとはいえ今日は随分潤沢なんだね、なんてバツグンの媚薬効果に卑しい笑みが止まらない。指の腹で内壁を無造作に擦りながら人差し指を加えて解していくと、悦に悶える君の姿にズボンの下の男根がズクリと疼いた。

「んっ、あっ、あんっ…」
「くす…僕の教え込みが足りないせいなら謝るよ。ごめん、ね…っ!」
「やあぁっ!ひぅ、しゅ、周助、そんな、ごめんなさ…あっあん!」

下半身を攻め立てる手は止めずに、眼下に広がる名前のしなやかな身体の曲線美を舐めるように見つめる。その美しさにゴクリと喉を鳴らし、浅ましい欲情に駆られるまま僕が君を、君が僕を狂わせていくんだ。そうして吸い込まれそうな白い肌に指先で触れると太腿から腰、更に伝ってなだらかな双丘へ辿り着いた。控えめに膨らんだ乳房をやわやわと揉みしだきながら勃起したピンク色を人差し指で弾くと、名前の可愛い嬌声がダイレクトに脳に響いてきて、何だかもう止まりそうにない。

間違っても君に飲ませる薬なのだから安全性を第一に考えたけれど、良く効いてくれて良かったなんて独りよがりの結果論は、狭い心に罪悪感を募らせていくばかりだ。それでも君に掻き乱す程に求められたかった。どうして僕を頼らない?どうして一人で抱え込む?どうして君に期待されなかった悲しみが、こんなにも酷く胸を刺すのだろう…リスキーさだとか、スリルだとかを越えた先にある君への感情に辿り着いてしまえば、案外答えはシンプルだった。

「もっと…僕だけを、求めなよ」

だってほら、君の心を僕のモノにすることへの願望しか残ってない。

「あっ、ん…ッひあぁん!やっ、周助、らめぇっ」
「名前…!愛してる。はぁ、ちゅ」

溢れ出る愛液を掻き出すように激しく指を挿入しながら、存在を主張する胸の突起を咥えて咥内で舐め上げる。円を描くようにチロチロと舌先を使い、時折乳輪ごと大胆に口に含んで吸い上げると、敏感になっている君は甲高く鳴いて悦んだ。

「ん…名前…」

ちゅぱちゅぱとわざと下品に音を立てて名前の聴覚を刺激してやれば、彼女はシーツの上で快楽にもがきながら身を強張らせて一度目の絶頂に達する。瞬間、彼女の顔を目に焼き付けるように瞬きすらも忘れていた。

「あっぁイクッ!周助…ッあぁああんっ!!…はぁ、はぁっ…は」
「…ん…ふふ、よくイケました」

手首まで愛液にべっとりと濡らしながら指を引き抜くと、透明な液体がキラキラとねっとりと糸を引いて僕達を繋いだ。達したばかりで荒い呼吸を落ち着けようとする彼女に、わざと見せ付けるようにこの手に付着した愛液をぺろりと舐め取って行く。名前は恥ずかしそうに顔を真っ赤にするけれど、僕と交わった視線を背けないのはもしかして、…ドキドキしてくれているからなのかい?


end.