「ありがとう!女主人公も、誕生日おめでとう!」
「ありがとう!」
今日は犬飼家双子の兄妹の誕生日。
朝からテンションの高い女主人公は、起きた瞬間に隣の部屋で寝ている犬飼に飛びついて、誕生日のお祝いの言葉を伝えた。
「今日は、すみくんたちは二宮隊でご飯だよね?」
「そうだよ!女主人公は、水上くんとご飯?」
「そう!学校帰りにカフェに行って、その後かげうらに行くんだ!」
「また?誕生日なんだから、もっといいところに連れて行ってもらえばいいのに」
「水上くんとはまた別の日にゆっくりデートするからいいの!」
「まあ、女主人公がそれでいいならいいけどね」
「うん!」
女主人公は水上と、犬飼は二宮隊と、それぞれ誕生日を過ごすことになっている。
「お互い良い誕生日にしようね」
「そうだね!」
そう言って女主人公たちはお互い学校に向かった。
「女主人公ちゃん、おはようー!」
「柚宇ちゃんおはよう!」
学校の前で国近に会うと、「女主人公ちゃん誕生日おめでとうー!」と言われた女主人公。
「わーい!ありがとう!」
「誕生日プレゼントあげるね〜」
「ありがとう!」
国近は持っていた紙袋を女主人公に手渡す。
「あ、学校で開けちゃだめだよ」
「え?何が入ってるの?」
「んー、秘密!お家に帰ってから開けてね」
「わかった!柚宇ちゃんありがとう!」
そう言って、女主人公はもらった紙袋をそのまま持ってC組に向かう。
「犬飼さんおはよう!お誕生日おめでとう!」
「わー、ありがとう!」
女主人公が教室に入ると、クラスメイトが集まってきた。
「犬飼さん、今日予定がなかったら遊ばない?」
「よかったらカラオケとか行こうよ!」
「私も犬飼さんと遊びたい!」
クラスメイトから一気に誘われた女主人公がわたわたしてると、「すまんけど、今日予定あんねん」と女主人公の代わりに教室に入って来た水上が答えた。
「え?そうなの?」
「うん」
「何?誰と?え、水上!?」
「水上くんとなの?」
「そうだよー!」
女主人公がニコッと笑いながら答えると、クラスメイトは衝撃を受けた顔をする。
「もしかして、水上と付き合ってる?」
「うん!」
女主人公は「水上くんとお付き合いしてるよ!」と言って水上の腕に絡みつく。
「そういうことやから」
「なんでだよ!」
「えー!衝撃的!」
「犬飼さんは、水上くんのどこが好きなの?」
クラスメイトに聞かれて、女主人公は「うーん」と少し考える素振りを見せる。
「困ったときに助けてくれて、いつでも冷静で、ヒーローみたいにかっこいいところかな?」
「本当に水上のこと話してる?」
「うっさいわ」
「でも、やっぱり全部!水上くんの全部が好き!」
幸せそうに笑いながらそう言う女主人公に、クラスメイトはつられて笑う。
「幸せそうー」
「犬飼さんかわいい」
「水上!おまえ愛されてんな!」
「当たり前やろ」
「はー、生意気!」
そんな話をしていると、影浦と村上が教室に入って来た。
「おはよう」
「朝からバカップルしてんな…」
「カゲくん、鋼くん、おはよう!」
「女主人公、誕生日おめでとう」
「ありがとう!」
女主人公はジーっと影浦を見つめる。
「…あ?」
「カゲくんは?」
「メッセージ入れたろ」
「直接言ってほしいの!」
「…オメデト…」
「ありがとう!」
「カゲって女主人公には弱いよな」
「うるせーな!言わねーとしつけーんだよ!」
影浦はめんどくさそうにそう言った。
昼休みになると、国近と今、そして隣のB組から人見と加賀美がC組にやって来た。
「女主人公ちゃん、おたおめー」
「倫ちゃんありがとう!」
「女主人公ちゃんおめでとう!」
「摩子ちゃんも、ありがとう!」
「はい、これ誕生日プレゼント」
「結花ちゃんも、ありがとう!嬉しいー!」
女主人公がプレゼントを受け取るとお礼を言う。
「女主人公ちゃんに似合うの選んだから楽しみにしててね!」
「えー、なんだろう?楽しみ!」
「今日はどうするの?」
「今日は水上くんと一緒にご飯に行くよ」
「いいねー」
「かげうら行くの!」
「…女主人公ちゃんそれでいいの?」
「うん!かげうら好きだから嬉しい!」
「ほんといい子だわ」
「そういえば未来ちゃんは?」
「調子悪いって、保健室に行ってるよ」
「え?そうなの?今日二宮隊で焼き肉って言ってたけど、大丈夫かな?」
「体育の授業で疲れちゃったみたいね」
「そっかー。放課後までには治るといいね」
そんな話をしながらご飯を食べていると、あっという間に予鈴が鳴った。
「じゃあ、また明日ね!」
「うん!」
あっという間に放課後になり、女主人公は水上の席に向かう。
「水上くん!」
「おん、ほな行こか」
「うん!じゃあカゲくん、またあとでかげうら行くね」
「来んな」
「ひどーい!」
影浦が手であっち行けのジェスチャーをすると、「みんな、またね〜!」と女主人公が言って歩き出す。
教室を出たところで女主人公は水上と手を繋ぐ。
「手、繋いでもいい?」
「もう繋いどるやん」
「わーい!」
2人で仲良く手を繋いで校内を歩いていると、周りは驚いていた。
最初の目的地であるカフェで、コーヒーとホイップクリームの乗ったドリンクを買う。
「美味しそう〜!」
「好きやなぁ」
携帯を取り出すと、女主人公は写真を撮った。
「なんで写真撮るん?」
「んー、思い出?」
「飲みもんが?」
「水上くんと一緒に来たっていう思い出なの」
「さよか」
そう言うと、水上は自分の携帯を取り出してカメラをかまえる。
「撮る?」
「ん、思い出やんな」
女主人公が飲んでいるところを写真に撮ると、「ええ顔しとる」と画面を女主人公に見せる。
「かわいい?」
「かわいくないときの方を探すんが難しいやろ」
「もー!」
さらっと褒める水上に、女主人公は顔を赤くする。
「言われ慣れとるやろ?」
「水上くんにかわいいって言われるのは2回目だもん」
「…そうやったっけ?」
「そうだよ!」
「…ほんならはよ慣れてもらうためにいっぱい言ったるわ」
「えー」
「かわいいで」
「〜っ!慣れる気がしない…」
「アホやん」
女主人公が赤くなった顔を隠している姿を見て、水上は笑う。
「ほんならそろそろ行こか?」
「うん!」
飲み終わった2人は、そろそろかげうらに向かうことにした。
「そうや」
「ん?」
歩きながら水上はカバンを開けると、中から綺麗に包装された箱を取り出した。
「誕生日プレゼント」
「わー!ありがとう!」
女主人公は水上からプレゼントを受け取ると「開けてもいい?」と聞いた。
「めっちゃ考えたんやけど、何がええかまじでわからんくて…気に入らんかったらすまん」
「水上くんが、わたしのために考えてくれたプレゼントだよ?気に入らないわけないじゃん!」
箱を開けると、中に入っていたのはパスケースだった。
「かわいい!」
「こういう色好きかわからんかったけど、俺の中の女主人公のイメージで選んだわ」
「好きだよー!ありがとう!すごく嬉しい!」
「なら良かったわ」
女主人公はニコニコしながらお礼を言う。
「明日から使うね!」
「おん」
「水上くん、ありがとう!」
「女主人公」
「ん?」
名前を呼ばれた女主人公が水上の方を見ると、女主人公の頬に水上の唇が触れる。
「誕生日、おめでとう」
「ありがとう!」
女主人公は顔を赤くしながら幸せそうに笑った。