「基地内部に未識別のトリオン反応!通気口から侵入されたようです!」
「通気口だと…!?また例の小型トリオン兵か!」
「いえ、これは…人型です!!人型ネイバー侵入!!」
基地の内部に、液体化ができるブラックトリガー持ちのエネドラが侵入してきた。
「さあ出て来いサルども。遊んでやるぜ」
エネドラはそのまま基地の中を進むと、基地を攻撃し始めた。
「おーおー、ウヨウヨいるじゃねーか。能無しのネズミどもが」
通信室に入ると、そこにいる一般職員たちを攻撃しながら進むエネドラ。
その様子を、上層部はカメラで見ていた。
「通信室が壊滅的被害を受けています!人型ネイバーは研究室方面へ移動中!」
「救護班!いつでも出られるように待機しろ!人型をやり過ごしてから救助に向かえ!」
「研究室には諏訪隊員のキューブ解析班が残っています!」
研究室にいる人間たちに通信が繋がる。
『人型ネイバーが移動中!ラボは放棄してかまわん!いいか、絶対に死ぬなよ!!』
「つ、堤さん!」
「みなさん逃げてください!」
「後、少し…」
「もう解析が終わる!」
「でも!」
「これで死んでも本望だよ」
「!!」
解析班のメンバーは、テコでも動かない。
そんな姿を見て女主人公は、「…絶対、守ります!!」と言った。
「頼もしい!」
「オレもです!」
「ありがとう」
逃げる技術者たちの足音と、エネドラの攻撃音で、外の廊下が騒がしくなってきた。
「…さすが、サルの国。罠もサルレベルだな、おい」
エネドラは手をかざすと、罠に向かって攻撃する。
「解析完了!!諏訪が元に戻る!」
「諏訪さん!」
解析班のおかげで、キューブになった諏訪が元に戻った。
「あ、なんでラボにいんだ?」
「諏訪さん!キューブにされてたんですよ!」
「なんじゃそりゃ」
諏訪は状況を把握できていないようだったが、廊下が騒がしいことに気づくと「敵か?」と聞いた。
「人型です!」
「何ぃ!?」
「行きましょう!」
諏訪隊の4人はラボの外に出ると、階段の上から下を覗く。
「トリガー使いはいねーのか?さっさと出てこねーと…片っ端から刻んでっちまうぞ」
逃げている技術者たちに向かって攻撃をしようとしているエネドラに、諏訪はショットガンを撃ち込んだ。
「おっ?」
「新型の次はブラックトリガーかよ!復帰早々クソめんどくせーのが来やがったな!」
「出たなザコが」
エネドラはそう言うと、自分の体を液体化して諏訪たちのいる階段の上に上がって来た。
「誰も遊んでくれねーのかと思って心配したぜ」
「こいつ全然効いてねーっぽいぞ!これマジでどっかに急所あんのか!?」
諏訪の言葉に、風間が通信で答える。
『ある。トリオン体である以上、伝達脳と供給機関は必ずある。常に体内を移動させて的を絞らせないようにしているだけだ』
「そんなことが可能なんですね」
『端から端まで虱つぶしにいけ。おまえたちのトリガーは、それに適している』
「さすがA級!簡単に言ってくれるぜ!」
エネドラが諏訪たちに向かって攻撃をしかける。
「あ?女もいんのか?」
エネドラが女主人公に気づくと、諏訪が女主人公を自分の後ろに隠した。
「はっ、お姫様を護るナイト気取りかよ!」
「あいつの言うことに耳貸すなよ」
「大丈夫です」
「いいねー、気に入った。てめえらザコはここで刻んで、女は連れて帰るとするか」
エネドラの攻撃が諏訪の腕を斬り落とす。
「どあっ!?」
「さっきのチビどもはチョロチョロかわしてムカついたが、てめえらはそうでもねーなあ!なんの芸もねえザコそのものだぜ!!」
諏訪、笹森、女主人公は攻撃をかわしながら訓練室に向かう。
部屋の中に入った瞬間、諏訪がエネドラに刺されたが、堤が仮想戦闘室のスイッチを入れた。
『仮想戦闘モードオン!!』
その瞬間、傷だらけだった諏訪のトリオン体が元通りに戻る。
「!?(どうなってんだ…!?今ぶった斬った腕が…!?)」
「何がどうなってんのかわかんねえだろ?魔の抜けたアホ面晒しやがって」
諏訪は落ちたタバコを拾うと、口に咥えなおす。
「来いよ、ミスターブラックトリガー。お望み通り、遊んでやるぜ」
「”遊んでやる”だぁ…!?サルが満足に口利いてんじゃねーぞ!!」
エネドラの攻撃を受けるが、諏訪の身体はすぐに元通りになる。
そんな諏訪の姿にエネドラ驚きながらも、この部屋に仕掛けがあることに気づく。
「ご名答。けどわかったところでてめーにゃどうにもできねーけどな。おとなしくプルプルしてろ、スライム野郎が」
「スライムって!」
「…」
そんな諏訪に、笹森は内部通信を繋げる。
『…でも、このままじゃオレらもあいつを倒せませんよ?』
『すぐ液体化されちゃうもんね』
『いーんだよこれで。訓練室ならこいつのトリガーを分析できる。ぶっ倒すのは、こいつを丸腰にしてからだ』
『諏訪さんさすが!かっこいいです!』
『俺らはスライム野郎がコンパネに気付かねーように、ほどほどにこいつの相手すんぞ』
『開いちゃいますもんね!』
『そうだ。女主人公、おめーはあいつに近づくなよ。さっきの感じだと、なんかしてきそうだからな』
『了解です!』
諏訪はエネドラに向き合うと「さあ、ゲーム開始だぜ」と挑発する。
攻撃する場所を変えながら、諏訪と女主人公はショットガンとハンドガンでそれぞれエネドラに撃ち込んでいく。
ガキッと、先ほどまでと違う音が聞こえた。
「!」
「お!?今の手応え…ひょっとして当たりか?」
『硬質化したトリオン反応!カバーされたパーツを見つけました!反応をマークします!』
「はっはぁ!弱点見つけたぜ!!」
「…あーあーなるほど…そういうことか」
諏訪がエネドラにショットガンを撃ち込むが、画面上にはマークした反応が増えた。
『硬質化の反応が増えた…!ダミー…!?』
「くっくっ…サルが知恵絞ってんのを見んのは楽しいなぁ。死ぬまでそのレベルでキーキー言ってろ」
そう言うと、エネドラの攻撃が諏訪の体の中から突然現れた。
「あ…!?」
「諏訪さん!」
「おまえはこっちだ」
エネドラは女主人公に近づくと、腕を掴んだ。
「な!放して!」
「女主人公先輩!」
「近くで見ると、サルの中じゃレベルがたけーんじゃねーか。気に入った」
「な、何言ってるんだ!」
女主人公はハンドガンをエネドラに向けようとしたが、その前にエネドラが女主人公の後頭部をおさえて自分の方に引き寄せると、女主人公の顔を上に向けて自分の口で女主人公の口をふさぐ。
「んっ!?」
そして、女主人公の体に自分のガスブレードを注いで体の中から攻撃する。
「あっ…!?」
「すぐ元に戻るんだろ?オレの気の済むまで続けてやろうか?」
そう言うと、エネドラはもう一度女主人公の口をふさぐ。
「っ!!」
「女主人公!」
「女主人公先輩!」
女主人公はハンドガンでエネドラの腹部を狙って攻撃をすると、エネドラの腕が離れた。
「じゃじゃ馬だな」
「最低!」
女主人公は自分の口を拭く。
『敵のトリオン反応が…訓練室に充満していきます!』
『…これでハッキリしたな。やつのブラックトリガーの能力は…”液体だけでなく、気体にも変化できる”』
気体化したエネドラが訓練室のコンパネに触れると、仮想戦闘モードが終了して扉が開いた。
「!!チッ…!」
すると、訓練室に入る前に落とされた腕が消えた諏訪。
「無敵タイムは終わりか?ヒマつぶしにしかなんなかったな」
エネドラが壁を攻撃して、訓練室を出ようとする。
が、その前に訓練室の天井付近の壁が壊されて「旋空弧月」と聞こえてきた。
「!!」
トリオン体に換装した忍田が弧月でエネドラを攻撃する。
「!!」