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「きみたちかわいいね〜」
「大学生?高校生かな?」
「俺たち男だけなんだけど、よかったら一緒に遊ばない?」

女主人公たちは、更衣室から出て少し歩いたところで知らない男3人組に声をかけられた。

「結構です。待ち合わせしてるんで」
「えー!そんな冷たいこと言わないでよ」
「俺たちのが絶対楽しいって!」
「あら、どんな風に楽しませてくれるのかしら?」
「お、お姉さんノリがいいね〜」

今と加古が、女主人公と国近を守るように前に出る。

「め、めんどくさいね」
「本当だね〜」

女主人公と国近は、2人の背中で小声で話していた。

「どこにでもいるよねーこういうナンパ男って」
「柚宇ちゃん慣れてる!?」
「いやいや」
「か、カゲくんに助けを求めよう!多分、カゲくんなら気づいてくれるはず」
「たしかに」

そう言うと、女主人公は影浦に向かって”助けて”の感情を向けた。

「カゲくん〜気づいて〜!」

「さっきから、何話してるの?」
「わ!」

男は今と加古の後ろにいる女主人公たちに近づいてきた。

「ね、きみたちも俺たちと遊ぼうよ」
「遊ばないです」
「えー、なんで?」
「わたしたちだけじゃないからねー一緒に来てるの」
「俺たちと遊んだほうが楽しいよ!やっぱかわいい女の子たちにはイケメンに限るっしょ!」


「おい、何をしている」


男たちは声のした方を振り返ると、そこには二宮と荒船、そして犬飼が立っていた。

「へ…?」
「そいつらは俺たちの連れだ」
「なんて言ってたっけ?かわいい女の子にはイケメンに限る、だっけ?鏡見て出直してきた方がいいよ?」
「さっさと失せろ」
「…!」

二宮と荒船が睨むと、男たちは何も言わずに一目散に逃げて行った。

「女主人公!!大丈夫!?」
「大丈夫だよ〜!すみくん、ありがとう!」

犬飼は女主人公のことを抱きしめる。

「二宮くん、ありがとう。スマートすぎて惚れちゃうところだったわ」
「やめろ」
「荒船くんもありがとう」
「助かったよ〜」
「カゲが気づいたんだよ」
「お、やっぱりカゲくんか。女主人公ちゃんの作戦成功だね」

国近はそう言うと、女主人公が「やっぱり?カゲくんさすがだ〜!」と喜んだ。

「やっぱりここで待ってればよかった!」
「すみくん大げさ」
「だってー!」
「でも来てくれてありがとう!」
「どういたしまして!」







水上たちは、二宮たちが女主人公たちを連れてくるのを待っていた。

「おめーが行かなくてよかったのかよ」
「大丈夫やろ。相手のタイプによって、助けに行く人間を決めた方がええやろ」
「そうじゃなくてよー。女主人公はおめーに助けてもらいたいって思ってんだろ」
「…そういうもん?」
「しらねーけど」
「そういえば、水上くんは犬飼さんと付き合ってるんだっけ?」

影浦との会話を聞いていた来馬が、水上に聞いた。

「そうですね」
「鋼からたまに話は聞いてたけど、実際に2人が一緒にいるところは今日が初めて見るね」
「鋼くん変なこと言ってないですか?」
「言ってないよ。2人がとっても仲が良いってことしか聞いてないから安心して」
「そうですか」
「でも、実際2人を見て思ったけど、2人が想い合ってるのが伝わってきて、ぼくまで自然と笑顔になったよ」

そう言って笑う来馬を見て、水上は少し驚いた。

「鋼くん、来馬さんってマジで仏やな」
「?当たり前だろ?来馬先輩だぞ?」

あまりそういうことを言われない水上は、照れくさくなって来馬から視線をずらした。

「お、来たで」

二宮たちが女主人公たちを連れて戻ってきた。

「水上くん!」
「おー、おつかれさん」

女主人公は水上を見つけると、小走りで近づいた。

「大変やったな」
「大丈夫だよ!」
「何が大丈夫だよ。俺のサイドエフェクトこんな使い方すんじゃねー」
「でもそのおかげで助かっちゃった!カゲくんもありがとう!」

国近が女主人公の後ろから顔を出すと「そんなことより、何か言うことがあるんじゃないのかね?」と、水上に聞いた。

「何かって、なんや?」
「女主人公ちゃんの、水着!」

そう言うと、国近は女主人公の着ていたパーカーのファスナーを一気に下まで下ろした。

「ゆ、柚宇ちゃん!!」
「かわいかろう〜わたしと今ちゃんで選んだんだよ!」

国近は女主人公からパーカーを脱がせると「ほれほれ」と水上の方に押した。

「み、水上くん…?」

何も言わない水上に、女主人公は声をかける。

「…固まってんな」
「み、水上?大丈夫か?」

水上は無言で自分の着ていたパーカーを脱ぐと、そのまま女主人公に着せて前を閉める。

「…かわいくなかった?」
「…んなわけないやろ…かわいすぎるからアカン」

水上の言葉に、女主人公は顔を赤くする。

「なるべくパーカー着とってや」
「わかった!」

女主人公は元気に返事をする。

「うーん、ダメだったか。結構おとなしめのデザインにしたんだけどなー」
「せっかく海に来たんだから、水着で遊ばないともったいないわよ?」
「加古ちゃんの水着は派手だねー」

堤がそう言うと、加古はその場でポーズをとる。

「あら、似合わないかしら?」
「逆に似合いすぎててびっくりだよ」
「本当だね。加古さんはハリウッド女優みたいだね」
「加古のオーラやばすぎんだろ。もっとこいつらを見習えよ」

太刀川はそう言うと、女主人公たち3人を指さした。

「初々しさが足りないな」
「大人の色気よ」
「何が色気だ」
「ケンカしないでよー。みんな揃ったんだし、遊ぼうか」

来馬の言葉を合図に海に入る組、ビーチバレーをする組、日焼けをする組、など、分かれて遊び始めた。



「女主人公ちゃんは何する?」
「わたしは砂で遊ぼうかな」
「おっけー!じゃあわたしたちは海に入ってるね!」
「うん!いってらっしゃい」

国近と今は海に入りに行き、女主人公はパラソルの近くに座った。

「何作るんだよ」
「荒船くん」

女主人公の隣に座ると、荒船は砂で山を作り始めた。

「お城でも作ろうよ」
「ガキくせー」
「いいじゃん。楽しいよ!」
「おまえも海に入ってくればいいだろ」
「そうしたいんだけどねー。わたし、肌が荒れやすいから塩水苦手なんだよね。内緒だよ?」
「そうかよ」

荒船は「んじゃ、まじででかい城作ろうぜ!ガチのやつ!」と言った。

「いいね!そしたらもう少しこっちで作ろう!」

そう言うと、女主人公と荒船はもう少しだけ水に近い場所に移動して、本気で砂の城を作り始めた。
女主人公たちの横では、穂刈がサンオイルを塗って寝っ転がっている。

「作るのか、オレたちの城を」
「そうだよ!穂刈くんも作る?」
「作るか」
「変な城にすんなよ」

穂刈は起き上がると、2人に参戦した。

「変な城を作っていただろうな、加賀美なら」
「倫ちゃん今日来られなくて残念だったねー」
「まあ仕方ねえだろ」

3人は話をしながら城作りをしていると、ひとしきり泳いで満足した水上、影浦、村上、犬飼の4人がやってきた。

「めっちゃ本気の城やん」
「すごいでしょー!」
「ほとんど俺が作ってんだろ!」
「変なとこ器用だよなー」
「女主人公上手だねー!」
「話聞いてたか?俺が作ってんだよ」

水上は女主人公の隣に座ると、「ほんなら住人作ろうや。これが俺や」と言いながら丸い物体を作り始めた。

「水上くんって、美術のセンスはなさそうね」
「何これ?丸?」
「失礼やな、人やで」

そこに、今と国近も合流した。

「俺の城に変な物くっつけんじゃねえよ!」
「荒船くんマジなのうけるんだけど」
「あー!崩れちゃうじゃん!」
「鋼!俺たちもこっちで作ろうぜ!」
「いいぞ!」

9人が騒いでいるのを、少し遠くから二宮たちが見ていた。

「楽しそうね」
「ああしてると、年相応って感じだよな」
「戦ってる時とのギャップがすごいよね」
「いいんじゃねーか、子どもらしくて」
「…そうだな」



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