諏訪隊の作戦室では、諏訪隊の5人が気合を入れていた。
「うっし!そんじゃあおさらいだな。俺と堤が前に出て撃つ!そんで、女主人公と日佐人がカメレオン使って奇襲!以上!」
「諏訪さん、それって作戦っていうのー?」
「まあまあ、いつも通りってことだね」
「頑張りましょう!」
笹森は「今日の解説、東さんみたいですよ」と言った。
「えー!いいなー!わたしも東さんの解説聞きたかったー」
「おまえは試合に集中しろ!」
「そろそろステージが決定しそうですね」
「そうだね。玉狛第2が選んだのはー…え?」
女主人公たちは、玉狛第2が選んだステージを見て驚いた。
「市街地”C”…?」
「はぁ!?市街地”C”!?ざっけんなクソマップじゃねーか!おとなしくAかBにしとけよ!」
「こりゃなかなかきつい…」
「うへー、高低差ありまくりのスナイパー有利マップだー!」
「玉狛は狙撃が怖くないんですかね?」
小佐野が「スタートはバラバラだから、まだチャンスあるよ」と言う。
「取られる前に全力高台取るしかねーな!」
「スナイパー4人もいるのに、取れるかなー」
「弱気になんな!ここで勝ちゃ上位入りだ!やるぞ!」
「おう!!」
転送まで50秒。
「とにかく上だ。高台取りゃあなんとかなる!」
「全力疾走だな」
「大変だぁ」
時間になり『B級ランク戦転送開始』のアナウンスが聞こえると、市街地”C”に転送された。
『さあ転送完了!各隊員は一定以上の距離をおいてランダムな地点からのスタートになります!』
会場のスクリーンに、隊員たちの姿が映し出される。
『そして、スナイパー四人がバッグワームを起動!レーダー上から姿を消した!』
荒船隊の3人と玉狛第2の雨取がバッグワームを起動。
『スナイパー三人の荒船隊、やはりまっすぐ高台を目指します!半崎隊員がいい位置に転送されたか!諏訪隊もそれを追う!』
作戦通り、諏訪隊は高台を目指して走って行く。
『玉狛第2も…おっと追わない!チームの合流を優先したようだ!』
『転送直後は一番無防備な時間帯ですからね。合流するのはありです』
笹森が急いで高台を目指していると、後ろから抱きしめられて後方に引っ張られた。
「!?」
「女主人公さん!それに諏訪さんと堤さん!」
「日佐人くん、セーフ!」
「飛び出すな。壁に張り付いてねーと死ぬぞ」
笹森が道路に飛び出そうとしたところに、穂刈が牽制の一発を撃ち込み、あやうく頭にヒットするところを女主人公が助けた。
『笹森隊員、間一髪!』
『穂刈の牽制ですね。かわされましたが諏訪隊は進みづらくなった。いい仕事です』
そんなやり取りを上のフロアで見ていた犬飼は「ちょ、ちょっと女主人公!!止めるにしてももっとやり方あったでしょ!何抱きついてるのさ!?」と騒いでいた。
「女主人公はちっこいからあれくらい体を張らんと止められへんのやろ」
「水上くんも、もっと怒ってもいいんだよ!」
「あんなんで怒らんわ」
そんな犬飼と一緒に見ていた水上は、隣で騒いでいる犬飼にあきれていた。
『この隙に荒船隊長も脇をすり抜けて登っていく!荒船隊が完全に上を取った!』
こんな状況に、諏訪は「くそったれ!めんどくせー展開だぜ!」と愚痴っていた。
すると、荒船達を狙うように下から雨取が一発撃った。
「わ!すっごい威力!」
「関心してる場合か!」
荒船隊の3人も、雨取に向かって撃ち返す。
「チャンスだ!荒船たちの居場所がわかったぜ!」
「一気に距離を詰めましょう!」
「女主人公!おまえは玉狛の方にいってスナイパーに張り付け!見失うなよ!」
「了解です!」
そう言うと、女主人公はバッグワームを起動させて、玉狛第二の方に向かう。
諏訪は坂道を上ると荒船に向かって行く。
「はっはぁ!よォ荒船!!」
「チッ…!!”2対1”か…!!」
実況席でも、諏訪が荒船を捉えたことに驚きの声が上がっていた。
『あーっと!!砲撃の陰で諏訪隊が登って来ていた!!』
『さっきの砲撃は諏訪隊の援護ですね。長距離戦で荒船隊に勝てないのは織り込み済み。ステージの選択から、あえて状況を荒船隊有利に偏らせることで、諏訪隊と玉狛第2の利害を一致させた。玉狛第二は地形戦をよく練ってますね』
スクリーンを見ていた水上は「ほーん、やるやん」と呟く。
「まあ、荒船くんたちは捕捉するにはベストな手だよね。女主人公が使われてるのは癪だけど」
「玉狛は誰が作戦考えとるんやろ」
「さー?あの白い子じゃないの?」
「…いや、意外とあのメガネかもしれんな」
武富が『荒船隊有利から一転!砲撃を隠れ蓑にして諏訪隊が獲物に食らいついた!』と実況する。
諏訪がショットガンで荒船に迫っていた。
『これは完全にガンナーの距離だ!荒船隊長、さすがに苦しいか!』
『いや、これは釣りですね』
そこに、半崎からの狙撃が諏訪にヒットした。
「…!」
『おーっと!』
諏訪の顔に確実にヒットしたと思われた半崎の狙撃は、諏訪の集中シールで防がれた。
「大当たりだぜ!」
「げっ、マジ?」
『半崎の位置、確認!』
半崎の位置を捕捉した堤が、半崎を追う。
『ヘッドショットをピンポイントで防御!』
『半崎の狙撃の正確さが仇になりましたね』
『なるほど!』
『通常よほどのトリオン差がない限り、シールド単品でイーグレットは防げませんが、狙いを読んでシールドを集中すれば防御が可能です!』
諏訪の大胆な読みに「諏訪さんやるねー」と犬飼も驚いていた。
「博打過ぎやろ」
「おれたちには真似できないよねー」
そんな諏訪は、今度は穂刈に脚を狙われて左足を失った。
『さらに一発!今度は防げなかった!目の前の荒船隊長に追いつけない!』
諏訪は脚を失ったが、その代わり荒船隊全員の位置が判明した。
『しかしこれで荒船隊は全員の位置が割れた!この距離でこれはでかいですよ』
『諏訪も、脚の一本くらいは必要経費と思っているでしょう』
諏訪に合流した笹森は「諏訪さん、退がりますか?」と聞くが、諏訪は「アホ言え、こっからだぜ!」と返す。
「ですよね」
「見失うなよ堤!」
『もう追いつきます』
「女主人公!おまえはちゃんと張り付いてんのか?」
『はい!なんとか!』
堤が半崎に追いつく前に、空閑が半崎に奇襲をかける。
「速っえ!」
空閑の攻撃は躱した半崎だったが、追いついた堤に撃たれてそのままベイルアウトした。
『半崎隊員ベイルアウト!』
『スナイパーは寄られるとこうなります。寄らせちゃだめですね』
『先制点は諏訪隊!そして、依然堤隊員の間合い!ここで2点目が動くか!?』
堤は、そのまま空閑を狙いショットガンを撃ち続ける。
向かってくる空閑の動きを見極めて狙いを定める堤だったが、空閑がグラスホッパーを起動させて空中で移動したことでバランスを崩し、そのままの勢いで落とされた。
『おおお!?今の動きはグラスホッパー…!?空中機動を可能にするジャンプ台トリガー!前回は使っていなかった気がしますが…!?』
『オレが教えました。昨日』
『昨日!?なんと普通に覚えたてだった!』
緑川がそう言うと、犬飼は「いいね〜、ライバル同士高め合っていかないとね」と笑った。
「一気に試合が動いたな」
「だね。女主人公は雨取ちゃんを落とせるのかなー」
「どうやろな。見失わん限り大丈夫やと思うけど」
試合は玉狛第2が1点を取り返して、諏訪隊、玉狛第2が1点ずつと並んでいる。
『さあ、玉狛第2も1点獲り返して次の相手へ!狙うは穂刈隊員!徹底して荒船隊狙いだ!』
『スナイパーが残ってるとめんどくさいからね』
空閑が穂刈を狙いに行く前に、荒船が空閑の前に立ちはだかる。
荒船は、スナイパーのトリガーではなく弧月を起動させた。
そんな荒船を見ていた諏訪は「荒船が抜きやがった!日佐人、おまえはポカリをやれ!」と指示を出す。
「諏訪さんは?」
「俺はアタッカー二人をまとめて吹っ飛ばす!」
「了解!」
「女主人公、おまえもチャンスがあれば落とせよ!」
『そ、それが途中で見失ってしまいまして…』
女主人公は、雨取のことを見失っていた。
「何やってんだよ!」
『で、でも、この辺にいることは間違いないんで、絶対見つけます!』
「頼むぜ!」
『はい!』