相変わらず、私と荒船くんはB組で、犬飼くんはC組。
蔵内くんは生徒会長、そして綾辻さんが副生徒会長になっていた。
そして、新しく1年生に古寺くん、歌川くん、菊地原くんのA級の3人と、香取隊オペレーターの染井さんが入学してきた。
その代わり、3月には弓場さんが卒業した。
「おめェーら、世話になったな」
「何言ってるんですか!またボーダーで会うでしょ!」
「確かにな!荒船ェ、またランク戦でやったらボコボコにしてやるからなァ!」
「弓場さん、顔が怖いですよ。俺たちだって負けませんよ」
弓場さんは、このまま大学に進学するみたい。
私たちも、そろそろ進路について真剣に考えないといけない時期なんだな。
「二人は進路について考えてる?」
今日は、荒船くんと犬飼くんと三人でご飯を食べている。
「そうだな、一応進学する予定だ」
「三門大学?」
「おう。ボーダー続けるなら、その方が何かと便利だしな」
「そっか」
「おれも進学しようかなって思ってるよ」
「じゃぁみんな進学予定なんだね」
私も進学予定だけど、まだ他の大学も迷っている。
ボーダーは続けていきたいし、でも勉強もきちんとしたい。
なかなか難しい。
「まぁ、じっくり考えればいいんじゃないか?」
「それもそうね」
「そうだよー!まだ3年になったばっかりじゃん!」
「あっという間に一年が終わりそうだけど」
みんなで話をしていると、あっという間に昼休みが終わってしまった。
「犬飼、お前来週の土曜空いてるか?」
「土曜日?」
「おう。みんなでボーダー終わった後にかげうら行こうって話してるんだ」
「あー、ごめん。その日はおれの誕生日で、二宮隊のみんながお祝いしてくれるんだ!」
「そっか。犬飼くんの誕生日だったね」
「そう。また今度誘って!」
「うん。二宮隊、仲が良いね」
「ありがとうー!この歳になってもお祝いしてくれる仲間がいるって、嬉しいけどちょっと照れくさいよね」
犬飼くんは、そう言うと少しだけ恥ずかしそうにした。
「でも素敵なことじゃない。大切にしてあげてね」
「苗字ちゃんありがとう!」
「え、遠征から外されたの?」
「うん…」
あれから数日後、私はC級ブースのロビーにいた。
雅人くんと荒船くんと鋼くんが、ソロランク戦に行っているのを待っていると、そこに犬飼くんが少し元気がなさそうな顔でやってきた。
「どうしたの?」
「苗字ちゃんおつかれ!ちょっとね…」
「犬飼くん」
私は犬飼くんの手をとって、自販機のところまで誘導した。
「私のおごり。何飲む?」
「えーいいの?お言葉に甘えちゃおっかな」
そう言うと、犬飼くんはコーヒーを押した。
近くのベンチに座ると、犬飼くんは小さくため息をついた。
「何かあった?」
「うん…実はさ、うちの隊が遠征から外されたんだよね」
「え?なんで?」
犬飼くんから、今期の二宮隊は選抜試験の合格ラインをクリアしていたと聞いていた。
だから、てっきり今期は二宮隊も遠征に行くと思っていた。
「理由は何かあるの?」
「…まぁ鳩原ちゃんが人を撃てないことなんだろうな」
「そっか…」
鳩原さんは、確かに人が撃てないけれど、ランク戦の活躍を見ていると本当に狙撃の技術が高くてすごい。
だから遠征に行くことになっても問題ないと思うのに。
「非戦闘員2人いるチームがあると、それだけで他のクルーの負担になるんだって。おれたちは別に負担だなんて思ってないのに」
「そうだよね。大切なチームメイトだもんね」
「…でも、二宮隊がA級1位になったらまた考えてくれるって言われたみたいだよ」
「そっか」
「うん。元々1位を目指してたし、やることは変わらないからいいんだけどね!」
「頑張ってね。応援してる」
「苗字ちゃん応援していいの?同じA級同士なのに」
「私たちは、別に遠征部隊を目指しているわけじゃないからね。チームメイトのことを想って頑張ってる二宮隊を応援するよ」
そう言って微笑むと、犬飼くんは少しだけ驚いた表情をした。
「苗字ちゃん、ありがとう」
今日は、影浦隊のメンバーと荒船くん、鋼くん、穂刈くんとかげうらに来ている。
「そういえば、今日は誕生日だったな、犬飼の」
「あーあんなクソ犬のことなんかどうでもいいわ」
「こらこら、カゲは口が悪いなー」
「今日は二宮隊のメンバーがお祝いしてくれるんだって言ってたね」
「あそこも仲良いよな」
「仲良いだろ、オレたちも」
みんなも本当、仲良いよねーと思っていると、私の携帯が鳴った。
「あれ、犬飼くんからだ」
「は?女主人公、おめーあのクソ犬と連絡交換してんのかよ!」
「同じ学校だし、何かあったときのためにね」
「いらねーだろ!」
「意外といるの」
犬飼くんからの連絡を開くと、そこには二宮隊のみんなが写った写真が。
犬飼くんがケーキを持っていて、嬉しそう。
「微笑ましい写真が送られてきたよ」
と言って、写真を荒船くんに見せる。
「元気だな」
「うん。よかった。この前遠征から外されたって言ってて、少し落ち込んでたから」
「女主人公さんも知ってたの?」
「ユズルくんも鳩原さんから聞いた?」
「うん。いつか人が撃てるようになるかもって言ったら、あたしは一生撃てないと思うって」
ユズルくんも、鳩原さんから遠征から外されたことを聞いていたみたい。
「鳩原先輩、大丈夫かな」
「きっと大丈夫だよー。鳩原ちゃんも少し落ち込んでるだけだって」
「あいつが人を撃てねーのは今に始まったことじゃねーだろ」
「そうなんだけどさ。自分が行きたくて遠征希望してるのに、自分のせいで遠征から外されるって、迷惑かけてるって落ち込んでたから気になって」
「なら、今度ユズルくんが直接言ってあげたら?大丈夫って」
「…そうだね。今度ちゃんと話聞いてみるよ」
きっと大丈夫。
そう思っていたのに。
次の日、ボーダーに行くと鳩原さんが重要規律違反によって懲戒解雇処分になったことと、二宮隊がB級降格処分になったという通知が出されていた。