04

嵐山隊が現着し、状況が変わった。

「嵐山たちがいれば、はっきり言ってこっちが勝つよ。おれのサイドエフェクトがそう言ってる」
「男主人公、おつかれ!」
「准…あなたはのんきですね」

「俺だって別に本部とケンカしたいわけじゃない。退いてくれるとうれしいんだけどな、太刀川さん」
「なるほど。”未来視”のサイドエフェクトか。ここまで本気のお前は久々に見るな。おもしろい」

そう言うと、太刀川は弧月を抜いた。

「おまえの予知を覆したくなった」

それを合図に、三輪隊、風間隊が戦闘態勢に入る。
それを見た嵐山隊も、同じく戦闘態勢に入った。

「やれやれ、そう言うだろうなと思ったよ」

迅が風刃を抜くと、男主人公も同じように戦闘態勢に入る。







風間隊が一気に距離を縮めにかかる。
それに対して、嵐山隊はそれぞれ銃型トリガーで応戦する。

風間隊の歌川がスコーピオンで迅に斬りかかるが、迅はうまくかわしながら風刃でスコーピオンを叩き折る。
歌川のスコーピオンが折れたのを見た太刀川が、入れ替わりで迅に向かう。
一度、迅と向き合うが、距離を取って旋空を起動させる。

「旋空弧月!」
「おっと」

旋空を全員が避け、迅、男主人公、嵐山は屋根の上に。

「うひー。さすが迅さん、イヤな地形選ぶぜ。射線が全然通んねーじゃん」
「5人まとまってると、なかなか殺しきれないな」
「しかも迅はまだ”風刃”を一発も撃ってない。トリオンを温存する気だ」

風間隊の菊地原が風間に提案をした。

『こいつら無視してブラックトリガー獲りにいっちゃダメなんですか?うちの隊だけでも』
「玉狛には木崎たちがいる。ここで戦力を分散するのは危険だ」
『なるほど…了解』
「三輪、米屋と古寺はまだか?」
「もうすぐ合流します」
「男主人公がいるからって、熱くなるなよ?」
「なりませんよ!」
「出水」
「はいはい」
「俺と風間隊とスナイパー三人は総攻撃で迅をやる。お前は三輪と米屋と組んで、嵐山隊と男主人公を足止めしろ」
「了解」



少し離れた位置にいる、迅、男主人公、嵐山たちは次の動き方を話していた。

「…次はこっちを分断しに来そうだな」
「その場合はどうする?」
「別に問題ないよ。何人か嵐山たちと男主人公に担当してもらうだけでもかなり楽になる」
「俺は悠一と一緒じゃなくていいんですか?」
「おれと一緒に来てもいいけど、多分風間さんたちがこっちに来て、三輪隊がそっちに行くと思うよ」
「そうですね。うちの隊を足止めする役ならたぶん三輪隊ですね。三輪先輩の”レッドバレットがある」
「秀次の相手は男主人公にしかできないでしょ」
「そうでもないと思いますけど」
「秀次は男主人公と話したいと思ってると思うよ」
「悪いことしちゃいましたね」
「巻き込んで悪かったな」
「いえ、俺自身が選んだことなので」

「どうせなら」と嵐山隊の木虎が話し始めた。

「分断されたように見せかけて、こっちの陣に誘い込んだほうがよくないですか?」
「そうだな。賢と連携して迎え撃とう」

「おっ来たな。うまいことやれよ、嵐山」
「そっちもな迅」
「男主人公もたのんだ」
「わかりました」

そう言って、二手に分かれる。



予想通り、嵐山隊と男主人公の方には三輪隊と出水が来た。

「男主人公さん…」
「秀次」

三輪は何か言いたそうにしたが、一度目をつぶった。
目を開くと、男主人公ではなく嵐山隊に話しかけた。

「嵐山隊…なぜ玉狛と手を組んだ?玉狛はネイバーを使って何を企んでいる?」
「玉狛の狙いは正直よく知らないな。迅に聞いてくれ」
「なんだと…!?」
「ネイバーをボーダーに入れるなんて、普通はありえない。よっぽどの理由があるんだろう。迅は意味のないことはしない男だ」
「そんなあいまいな理由でネイバーを庇うのか!?ネイバーの排除がボーダーの責務だぞ!!」
「…」
「おまえがネイバーを憎む理由は知ってる。恨みを捨てろとか言う気はない。ただ、おまえとは違うやり方で戦う人間もいるってことだ。納得いかないなら、迅に代わっておれたちが気が済むまで相手になるぞ」
「…」

嵐山がそう言うと、出水が攻撃態勢に入った。
それを見て、嵐山隊のスナイパー、佐鳥が出水を狙って狙撃をすると、シールドを張った。

「…佐鳥見っけ」

「うっわ!釣られた!フルアタックと見せかけてフルガードかよ!相変わらずいやらしいな出水先輩は!」
「陽介!スナイパーを片付けろ!」
「オッケー」

三輪は米屋を佐鳥のもとへ向かわせた。

「木虎!」
「カバーに入ります」

木虎は佐鳥をカバーするために米屋を追う。



ドンッ!

空を見ると、誰かがベイルアウトした光が見えた。

「誰か飛んだぞ」
「誰だ?」

「迅さんじゃないですよね」
「違うな。ブラックトリガーにベイルアウト機能は付いていない」
「悠一はそんな簡単にやられませんからね」
「そうだな。男主人公、三輪と話さなくてよかったのか?」
「えぇ。秀次は頭に血が上ってますから、今話しても無意味ですね」
「そうか」

お互い、住宅地の壁を使って相手と距離を取る。
相手の出方をうかがっていると、また誰かがベイルアウトした。

「またベイルアウト…今度は誰だ!?」
『風間隊の歌川くんね。太刀川くんもダメージが大きい。形勢はかなり悪いわね』
「…迅…!」
「やれやれ、どっちが足止めされてんのかわかんなくなってきたな」

「さすが迅、有言実行だな」
「ですね」
「俺たちも担当した分はきっちりこなすぞ」
「了解です」

「こりゃマジで早く片付けないとやばいぞ、三輪」
「わかっている!」

三輪は壁から身を乗り出すと、アステロイドを撃ち込んだ。
それに応戦するように時枝もアステロイドを撃つ。
三輪と出水がいる場所を目掛けて、嵐山はメテオラを撃ち込む。

ズン!

建物の影を利用して、出水はバイパーを嵐山に向かって撃った。
嵐山はアステロイドで相殺しているが、相殺しきれなかった分を男主人公が同じようにバイパーで相殺する。
続けてハウンドが襲い掛かってくるが、時枝がシールドを張ってカバーする。

「サンキュー充!」

が、シールドと干渉しないレッドバレットが嵐山の足にヒットする。

「よしよし、足が止まったな。シールドごと削り倒してやる」

そう言って、出水は嵐山に向かってアステロイドを撃つ。
が、嵐山の姿が消えた。

「…!?」
「出水!後ろだ!!」

出水の後ろに嵐山が現れた。

「”テレポーター”か!」

そして、嵐山と時枝は出水にアステロイドを撃ち込んだ。
間一髪シールドを張るのは間に合った出水だが、張る前に何発か当たっていた。

「おい出水、動けるか?」
「大丈夫…心臓と頭は避けた。けど…あー…トリオンがもったいねー」

出水と三輪は住宅の壁に隠れた。

「テレポートからクロスファイア…さすが阿吽の呼吸ってやつだな」
「嵐山隊…」
「男主人公さんの位置取りもうまくてやりにくいな」
「少し待て、あのマンションで米屋が戦っている」
「木虎か」
「まずは木虎を獲る」
「了解」

三輪の言う通り、マンションの窓ガラスを割って、米屋と木虎が外に出てきた。

バシャンッ!

「!!」
「弾バカ!出番だぞ!」
「誰が弾バカだ!ハチの巣にするぞ」

そう言いながら、出水はアステロイドを起動して木虎に向かって撃ちこんだ。

「シールド…」

木虎のシールドだと受けきれない。
そう思った時枝は、木虎のカバーに入る。

「時枝先輩!」
「マジか」

そこに最初の一発を狙っていた当真が狙撃をして、時枝の頭を打ちぬいた。

「!?」

時枝は腕を伸ばし、木虎の腕を掴むと自分の方へと引き寄せた。
と、そこにもう一発、当真の銃弾が撃ち込まれた。
時枝に腕を引っ張られたおかげで、木虎は左足を失うだけで済んだ。

「おいこらとっきー。今のは頭のはずだろ」
「すみません嵐山さん、先に落ちます」
「とっきーと木虎の片足か。まぁ損はしてないな。あとよろしく〜」

時枝と米屋がベイルアウトした。

「当真さんにおいしいとこ持ってかれたな」

「すみません嵐山先輩。詰めを誤りました」
「反省は後だ。まだ終わってないぞ」
「木虎さん、まだ動けますか?」
「問題ありません」
「これで3対3。しかも二人は足を封じた。このまま捻り潰すぞ」

「いやいや、嵐山隊のスナイパー、佐鳥もいますよー」



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