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『B級ランク戦ROUND4!開始ギリギリになって申し訳ありません!実況を務めます嵐山隊、綾辻です!』

2月15日、B級ランク戦のROUND4が始まる。

『解説席には風間隊の風間隊長と、加古隊の加古隊長にお越し頂きました!』
『どうぞよろしく』
『風間さん、一日遅れのバレンタインチョコあげる。綾辻ちゃんにも』
『わ!やった!』

加古からもらったチョコを早速食べる風間。
その姿を見て微笑む加古は、母のようだ。

『転送まであとわずか!マップはすでに”市街地B”が選択されています』



影浦隊作戦室。

「おっしゃ、準備はいーか?」

仁礼の声掛けに全員が答える。

「おう!」
「もちろん」
「うん」
「うん」

「市街地Bってことは射線が通りにくい地形だから、オレは状況を見ながら動くね」
「後はいつも通りってことで」
「ぜってー勝つぞ」
「頑張ろうね」



『さぁここで全チーム仮想ステージへ転送完了!』

「え、雪?」

『四日目夜の部四つ巴!いよいよ戦闘開始です!』








『マップ”市街地B”、天候”雪”。積もった雪は30pほどでしょうか。戦闘体なら走れなくはないが、移動には少々骨が折れるといった様子』
『いきなりマップ予想外したな』
『これは東さんの趣味じゃないわ。きっと小荒井くんよ、小荒井くん!』
『転送位置はどの部隊もほぼ均等にバラけています。雪上戦を仕掛けた東隊。そして仕掛けられた他3チームはどう動くか!』



影浦は通信を繋げた。

「クソ!雪が動きづれーな」
『本当に雪が降っちゃったね。私は雅人くんと合流を目指すね』
『オレは狙撃位置に着くけど、射線通らないね』
『ならゾエさんの出番だね。ヒカリちゃーん!砲撃に良いポイントはどこかな?』
『あ?カゲを邪魔するつもりか?』
『援護だよ、援護』
『なら来た道を戻れ』
『えぇ〜マジ?』

北添は少し道を戻り、ビルの屋上へと向かった。

「女主人公!おめーは早くこっち来い!」
『苗字、了解』

女主人公は影浦のもとへと急いだ。

「グラスホッパーがあってよかった」



ヒュルルルルル

ドン!!

レーダー頼りの北添のメテオラが隊員たちに向かって落ちる。

『おいゾエ!一発も当たってないぞ!』
「いやいや、レーダーだよりじゃこんなもんでしょヒカリちゃん。ついでに東さんたちが隠れてそうなとこマークしてくれる?」
『まったくおまえら、アタシがいなきゃなんにもできねーなー!』

この北添のメテオラに対して、二宮隊の犬飼は、「出た、ゾエの適当メテオラ。これはうざい」と一言。



「アステロイド」

ドン!

「一番近いのニノさんだった!やっばいやっばい!」

北添に一番近い二宮が、北添目掛けてアステロイドを撃ち込んだ。

『ユズル、ヘルプミー!』

北添は近くの狙撃位置にいる絵馬に助けを求める。
絵馬は二宮をイーグレットで狙うが、二宮はシールドでそれを防ぐ。

「やっぱイーグレットの威力じゃだめだな…。ゾエさんがんばって逃げて」
『えっマジ?』


「北添と絵馬が近い。俺が獲りに行く。辻と犬飼は玉狛を獲りに行け。東隊は深追いするな、数が減れば結局うちが勝つ」

二宮は辻と犬飼に指示を出す。

「影浦と空閑には必ず二人で掛かれ」
『辻、了解』
『犬飼、了解。苗字ちゃんはどうします?』
「苗字は影浦と合流するだろうから、そこで一緒に獲ればいい。ただ甘く見るなよ」
『了解です』

北添はレーダーを見て二宮が自分を追ってきていることに気づく。

「ちょっとマジでニノさんこっち来てるんですけど!」
『なるべく粘って死ね!そのぶんカゲがフリーになるし、女主人公も動きやすくなる』

それを聞いた影浦は「俺ぁ玉狛の空閑と遊んで来るぜ。あいつが一番面白そうだ」と言った。

『ちゃんと点獲ってこいよカゲ!ゾエの死をムダにすんな!』
「おう空閑のついでにな」
『あれれ?なんかゾエさんの犠牲軽くない?女主人公ちゃんもなんとか言ってよー』
『ゾエくんファイト!』
『女主人公ちゃんも軽いー!てかまだ死んでないし!』



ランク戦観戦室では、綾辻が現在の状況を実況している。

『影浦隊北添隊員お得意の曲射砲撃!ナンバー1シューター二宮隊長がそれを押さえに北西部へ向かう!犬飼・辻両隊員は隊長とわかれて玉狛狙いの動き。東隊もレーダーステルス状態で接近中。影浦隊長もここに乱入か?』

マップ中央には、玉狛を中心に9人が集まってくる。

『これは唯一味方の援護がない影浦隊長が不利でしょうか?』
『女主人公ちゃんが合流すれば問題ないわね。転送位置のせいで合流が遅れそうだけど。それに乱戦になるならそんなに不利でもないんじゃない?』

綾辻の質問に加古が答える。

『場が荒れてくれば反射神経と勘が物を言うわ。それになにより影浦くんには狙撃も不意打ちも通用しない。他の人にくらべたら”数の不利”は関係ないわね』
『影浦を単独で止められるのは、おそらく二宮だけだ。北添が二宮を釣りだしている間にどれだけ点を獲れるかだな。その条件は東隊も同じ。まずは獲りやすい点に集中する』

風間がそう言うと、玉狛がクローズアップされる。

『狙われた玉狛がどう凌ぐのかが見物だ』



影浦の視線の先には、空閑と辻の姿があった。
辻は旋空で空閑を足止めすると、その場を離れた。

「よぉチビ…遊ぼうぜ」
「今忙しいんだけど」

そう言って逃げる空閑を追いかける影浦。
マンティスを使って空閑の逃げる道を制限する。

「こりゃなかなか逃げられんな」


ドン!!


東の壁越しの狙撃が三雲に命中し、三雲がベイルアウトした。

『玉狛第2三雲隊長ベイルアウト!乱戦は東隊が、まず一歩リード!』


その後、雨取が敵が4人固まっている建物を目掛けて砲撃した。
が、全員が避けた。

三雲から雨取のカバーをするよう指示を受けた空閑が「悪いねかげうら先輩。急用だ」と言って、グラスホッパーを起動させて影浦から距離を取る。

雨取を追っている犬飼に追いついた空閑は、スコーピオンで攻撃をするが、辻が弧月でカバーに入る。

「辻ちゃんナイス」

それを見た空閑は、グラスホッパーを雨取の足元に起動させて、雨取にそれを踏ませる。

「わ!!」

「(味方にグラスホッパーを踏ませて…)ははっおもしろい!けど…悪あがきだね」

犬飼は民家の壁を使って加速した。
もうすぐ雨取を捕らえる、というところで犬飼に狙撃が命中した。

「!?」

「(集中シールドで相殺できない…)アイビス…!」

犬飼を撃ったのは、絵馬だった。
そして、片腕をなくした犬飼を仕留めに影浦がスコーピオンを投げる。
犬飼も負けじとアステロイドで応戦する。

「シールド!」

が、女主人公がシールドを張って影浦を守る。

影浦のスコーピオンが犬飼に刺さる。

「…おいおいみんな。女の子にアマいんじゃない?」
「知るか。だまって死ね」

ドン!!

『犬飼隊員ベイルアウト!影浦隊が見事にかっさらった!そして…雨取隊員も逃げ切りの自発的ベイルアウト!結果的に影浦隊に救われた形!』

雨取のベイルアウトを見ていた絵馬。
そんな姿を二宮も見ていた。

「おまえが玉狛贔屓だったとは知らなかったな。絵馬」
「…別にそんなんじゃない。あんたたちが嫌いなだけだ」
「…なるほど」

そう言うと、二宮は絵馬に向かってアステロイドを撃つ。

『得点を好アシストした絵馬隊員!しかし二宮隊長に捕まった!』

『ヒット。でもまだ倒せてません。脚にも当たったので、移動力は鈍ってるはず』

二宮隊オペレーターの氷見に「建物内のマップを送れ。あとは辻をサポートしろ。俺は絵馬を追う」と二宮は指示を出した。
北添を追っていた二宮は、絵馬に狙いを変えた。

『そして、マップ中央ではアタッカー5人とシューターの苗字隊員が勢揃い!見通しの悪い地形とはいえ、スナイパーのいる東隊。遠距離から援護をすることが可能な影浦隊に分があるか!?』



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