「いや〜、今回は2人してお手柄だったな!」
「ありがとうございます」
「目暮警部、あとはお任せしても大丈夫ですか?」
名前がそう言うと、目暮は「ああ」と返事をして、青蘭を取調室へと連れて行った。
「さてと、白鳥君はこの後どうするの?」
「そうですね。まだ休暇中なので、このまま帰らせていただきます」
「そしたら外まで送っていくね」
2人は本庁から出ると、杯戸町方面に歩き出した。
「んで、名前さんはどこまでついて来るの?」
「もう変装解いたら?白鳥君の顔なのに白鳥君の声じゃないのがすごく違和感」
「さすがにここで変装解くのはヤバイでしょ」
「もうここまで来たら大丈夫じゃない?」
キッドはキョロキョロとあたりを見回すと、路地裏に入って白鳥の変装を解いた。
「えっ?次は新一君なの?」
白い煙幕が晴れて路地裏から戻って来たキッドは、新一の姿に変装をしていた。
「ちょっと今から野暮用で」
「野暮用?」
「オレの好敵手がピンチっぽくってさ」
「好敵手って、誰の事言ってるの?」
名前が聞くと、キッドは「さ〜て、誰でしょう」と笑って誤魔化した。
「まあ、別にいいけどね。それより、あの時のケガは大丈夫なの?」
名前は大阪の時のキッドのケガの事を思い出し、質問をする。
「おかげ様で。あの後ちゃーんと手当してもらったから、まったく問題ないぜ」
「そっか。それならいいんだけど」
「名前さん優しいね」
「そりゃあ一回り違う子どもには優しくしないとでしょ」
名前がそう言うと、キッドは驚いた顔をした。
「えっ!名前さん、オレと一回り違うの?」
「だと思ったけど。あなた何歳なの?」
「秘密〜」
「ハイハイ。新一君と同い年くらいかなって勝手に想像したから一回りって言ったんだけど、当たり?」
「さすがに教えられねえな」
そんな話をしていると、ポツンと雨が降ってきた。
「雨だ…」
「名前さん傘は?」
「折りたたみがあるよ。キッドは?」
「オレは大丈夫。風邪ひくといけないから、早くさして、あったかくして寝ろよ〜!」
「あっ、ちょっと!」
キッドはそう言うと、名前に右手を挙げて走って行った。
名前はカバンから折りたたみの傘を取り出して広げると「まったく…」と言いながら、キッドの後ろ姿を見つめた。