天国へのカウントダウン02

翌日、名前達が大木の事件の捜査に向かおうとしていると、コナンから電話が入った。

「もしもしコナン君?」
『あ、名前刑事!?実は今、原さんのマンションにいるんだけど…』
「何でコナン君が原さんのマンションに?」
『それは後で!原さんが拳銃で撃たれて死んでるんだ!』
「えっ?すぐ行くから、そこで待機してて!」

名前は電話を切ると「目暮警部!」と目暮の名前を呼ぶ。

「どうした?」
「今、コナン君からだったんですけど、原佳明さんが自宅マンションで殺害されているそうです」
「何だって!?」

名前達は急いで原のマンションに向かう。
原の部屋に着くと、玄関の前でコナンと少年探偵団の姿があった。

「コナン君!それにみんなも…」
「名前刑事…」
「原さんが!原さんが死んでます!」
「みんな落ち着いて。大丈夫だから…」

名前達が部屋の中に入ると、リビングのダイニングテーブルの傍で原が拳銃で撃たれて倒れていた。
彼の手には銀色のナイフが握られている。

「いかがですか?検視官」
「解剖してみん事にはハッキリせんが…死亡推定時刻は昨日の午後から夕方にかけてじゃな」

机の上に置いてあるケーキを見て「原さんは、チョコレートケーキを食べようとしていたようです」と白鳥が言う。

「そこへ犯人が入って来て、ケーキを切り分けた銀のナイフで対抗しようとしたんですね」
「しかし、このおちょこはどう考えたらいいんでしょう?」

高木は鑑識のトメが持っている証拠品を見て質問をすると「決まってるだろう」と白鳥が答える。

「大木氏を殺害した犯人による、連続殺人だよ」
「うん。しかも、おちょこは被害者のダイイングメッセージじゃない」
「ああ…。犯人によるメッセージの可能性が高くなった」
「胸を撃たれて即死した人間に、おちょこを割って残すという事は無理ですもんね」

名前がそう言うと、目暮は「ウム…。とにかく、これ以上被害者を出すわけにはいかない。常盤さんのところに行って、今週末のビルのオープンパーティーは中止にしてもらおう」と言う。

「コナン君、みんな、どうしてここに?」

名前は、廊下にいたコナン達に質問をした。

「ボク達、この事件を独自に調べていたんです…」
「全く、そんな事だろうと思ったよ。子ども達だけで危ない事しちゃダメだって、いつも言ってるでしょ?」
「ごめんなさい…」
「原さんのところが初めて?」

名前の問いかけに、歩美が「昨日、風間さんと如月さんのところに行ってきて、今日原さんに話を聞こうと思ってたの」と答える。

「昨日?何時くらい?」
「えっと、たしか風間さんが午後3時くらいから4時くらいまでで、如月さんのところが5時過ぎから6時くらいまでだったかな?」
「如月さんの家を出たのは6時過ぎてましたよ」
「だよな!部屋のカーテンが全部閉まってたから分かんなかったけどよォ、外に出たら結構暗くなってたよな!」

名前は「そっか。ありがとう」と返事をした。

「でも、みんなの出番はここまでだよ。今日は暗くなる前に帰りなさい」
「はーい」
「コナン君と哀ちゃんも、気をつけて帰ってね」
「うん、ありがとう名前刑事」



原の部屋を一通り調べ終わった後、名前達はツインタワービルに向かった。

「嫌です」
「え?」

美緒のところに行き、アリバイを確認した後、パーティーを延期するよう説得したが彼女は聞かない。

「な、何も中止にしろと言っているのでは…。ただ、土曜日に行うのは危険だから延期にした方がいいのではと…」
「だから、それが嫌ですと言ってるんです。このタイミングで延期と言ったら、何かあったんじゃないかと変な噂が立ちますわ」

危険よりも会社のメンツを守ろうとする美緒に、名前達はあきれた顔をした。

「何かあってからでは遅いんですよ」
「大丈夫、何もありませんわ」
「でしたら、当日は我々が警備に入らせていただいてもよろしいかな?」

目暮がそう言うと「それもお断りします。パーティー会場に、怖い顔をした刑事さん達が混ざっていたら、それこそ会社のイメージダウンです」と美緒はキッパリと断った。

「あ、あの常盤さん…!」

名前が文句を言おうとするが。その前に目暮に止められる。

「そうだ、これから毛利先輩のところに行かれます?これ、渡していただきたいんですけど」

そう言うと、美緒は招待状を取り出して目暮に渡す。

「これは?」
「土曜日のパーティーの招待状です。来てくださるのを楽しみにしております、とお伝えください」

ビルを出たところで名前は「すごい人ですね、常盤さん…」と静かに怒りを表した。

「まあまあ苗字さん、落ち着いてください」
「人に命より大切な物はないじゃないですか…。わざわざこんな時に、大人数を集めるパーティーをやるなんて…信じられない…」
「苗字君…」

名前は「こうなったら早く犯人を見つけましょう!これ以上、被害者を出さないために!」と気合を入れた。

「そうだな。とりあえず、毛利君の事務所に行こう」

毛利探偵事務所に向かう途中、高木から連絡が入る。

「もしもし、高木君か?」
『警部!解剖の結果が出ました!それに、一つ気になる事が…」
「気になる事?」



探偵事務所に着くと、早速本題に入る目暮。

「解剖の結果、おおよその死亡時刻が分かった。昨日の夕方5時から6時の間だ」
「それと、原さんのパソコンのデータが全て消されていたようです」
「パソコンのデータが?」
「その辺も動機の一つかもしれんな」

名前はコナンを見ると「5時過ぎから6時過ぎまでコナン君達と会っていた如月さんはシロですね。一方、風間さんはコナン君達が帰った後、車を飛ばせば犯行時刻に間に合います」と言った。

「それで、美緒君は?」
「常盤さんも、秘書の沢口さんもハッキリしたアリバイはありません」
「毛利君には悪いが、犯人は常盤美緒さん、風間英彦氏、そして沢口ちなみさんの誰かだと思う。しかも、今度も犯行が続く可能性は十分考えられる」
「そこで、目暮警部が常盤さんに土曜日のパーティーを延期するように勧めたんですが…聞こうとしませんでした」

目暮は首を振りながら唸る。

「そればかりか、こんな物を預かってきた」

そう言うと、目暮は内ポケットから手紙を取り出した。

「うん?」

小五郎は手紙を受け取ると、中身を取り出す。

「これは、パーティーの招待状じゃないすか」
「しかも、私やコナン君に子ども達の名前まで書いてある」
「えっ?ボク達も?」
「全く、何を考えているんだが…」

名前は「ぜひ来てくださいという言葉まで頂きましたよ…」と言うと、その後小さな声で「本当に、人の命を何だと思っているんだろう…」とつぶやいた。

「名前刑事…?」

怒っているが、どこか悲しそうな表情を浮かべている名前を見て、コナンは心配そうな顔で名前を呼ぶ。

「ん?」
「大丈夫?」
「うん、もちろんだよ。コナン君もせっかくパーティーに参加するなら、楽しんできてね」
「ありがとう」

名前達は探偵事務所を出て、本庁に戻る。

「警部、我々も当日はビルの駐車場で待機しますか」
「ああ。何かあった時に、すぐに駆け付けられるようにな」
「はい」







パーティー当日の土曜日を迎えた。
ビルの駐車場には、名前、目暮、白鳥、高木、そして千葉の5人が待機していた。

「警部!我々もパーティー会場に…」
「ダメだ。常盤さんに断られた以上、我々はここで待機するしかない」

駐車場からビルを見上げて「あとは、何も起こらない事を祈るだけですね」と言った。

「大丈夫かなー…」



辺りはすっかり夜になり、このままいけば後1時間もしないで美緒の言っていたパーティー終了の時間を迎える。

「この感じだと、大丈夫そうですね」
「最後まで、油断は禁物だ」

そこに、1本の無線が入る。

「何だって!?常盤美緒さんが?」
「行くぞ!」
「はっ!」

目暮を先頭に、名前、白鳥、高木、千葉がビルの中に急いだ。
パーティー会場はA塔の最上階。
パーティー会場の中に入ると、ステージには弾幕が降ろされていた。

「毛利君!常盤さんは!?」

小五郎が名前達の方を見て、首を左右に振った。

「そ、そんな…」

ステージに飾ってある如月の描いた富士山の絵を下ろすと、絵からピアノ線が伸びていた。



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