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「名前刑事、見てください〜!」

名前がポアロでご飯を食べていると、学校帰りの蘭、園子がやって来た。
園子は自分の薬指につけている指輪を名前に見せると「コレ、なんだか知ってますか?」と聞く。

「この指輪って…ベルツリー急行の?」
「ピンポーン!」
「実は、鈴木財閥がベルツリー急行のオーナーなんです」

名前は「へー!年に一回しか運行しないミステリートレインだよね?すごいねー!」と、園子の指輪をまじまじと見つめる。

「もしよければ、名前刑事も一緒に行きませんか?」
「…え?」








園子達とそんな話をしてから数日後、名前は東京駅にいた。

「わあ〜!!」
「すっごーい!歩美、蒸気機関車って初めて見る〜!!」
「オレもー!!」
「大迫力ですー!!」

東京発名古屋行きのベルツリー急行を前に、子ども達は興奮した様子を見せる。

「まぁ、SLなのは見かけだけ…。中身は最新鋭のディーゼル機関車らしいけどね…」

マスク姿の灰原はそう言うと、ゴホゴホと咳をする。

「哀ちゃんカゼ治ってないの?」
「誰かさんの病原菌がしつこくって…」

そう言ってコナンを睨む灰原に「だったら家で寝てろよ」と、コナンもにらみ返す。

「名前刑事も一緒に来られてよかったです!」
「本当にお言葉に甘えちゃってよかったのかな?」

名前がそう言うと「もっちろんです!名前刑事も仕事ばっかりじゃなくて、たまには息抜きしましょうよ!」と園子がウィンクをする。

「実は、一度でいいからベルツリー急行乗ってみたかったんだよね…!」
「それならよかった!今日は仕事を忘れて列車の旅を楽しみましょう!なんてったって、ピッカピカの一等車なんで!」

蘭は「そーいえば、その一等車だよね?来月、怪盗キッドが狙うって予告したの」と園子に聞く。

「そうなのよ!いつもは年に1回しか運行しないんだけど、次郎吉おじ様が来月、特別に走らせてなんとかって宝石を一等車に展示するって発表したら、キッド様がのってきちゃってさー!」
「キ、キッド様…?」

園子の台詞を聞いた名前は、思わず蘭の方に視線を向けると、蘭はあきれたように首を横に振った。

「だから今回、一足先に乗って彼への愛を込めた手紙を車内に隠してこようと思うんだけど、どうかしらん♪」
「そんな手紙、キッド盗るヒマないと思うけど…っていうか、京極さん怒るよ、ホントに…」
「キッド様への愛は別腹なのよ!」

そう言ってのけた園子に、蘭は大きなため息をついた。

「名前刑事も言ってやってくださいよ。そんな事ばっかり言ってると、京極さんが可哀想だって!」
「そ、そうだよねー。園子ちゃんのキッドへの愛がアイドル的な意味であっても、京極君はいい気分はしないんじゃないかなー」
「もー!名前刑事まで!」

そんな話をしていると「ボクはそんな泥棒よりも…毎回車内でやってるっていう推理クイズの方が気になるけどな!」と、突然現れた世良が話に入って来た。

「真純ちゃん?」
「せ、世良さん?」

世良は名前を見ると「名前さん久しぶりー!会いたかったよー!」と言いながら名前を抱きしめる。

「久しぶりだね!」
「どうしてここに?」

園子の質問に「ボクは探偵!乗るのは当然…って君のパパは一緒じゃないのか?」と蘭に聞く。

「あれ?さっきまでいたのに…」
「そういえば、毛利さん見ないね?」
「私、探しに行ってきますね」
「ボクも一緒に行くよ!」

蘭とコナンが小五郎を探しに向かったのを見届けたあと「それにしても、名前さん仕事は?」と世良が名前の事を見る。

「今日は休みだよ!最近働きづめで、全然休めてなかったからね」
「そっかそっか!それなら、今日はボクと一緒に推理クイズ頑張ろうね!」
「ちょっとちょっとー!ウチらもいるんですけど!」

園子はそんな世良をジト目で見ながら「世良ちゃんは名前刑事の事大好きすぎない?」とからかう。

「えっへへー!こんな姉貴がいたら最高だなって思ってるんだよ!」
「まあ、たしかに名前刑事が姉貴だったら楽しそうね」
「二人とも優しいな〜」

二人の言葉に喜んでいる名前に「ボクの兄貴と結婚して、本当に姉貴になってくれてもいいんぜ?」と世良が提案する。

「うーん、それはごめんね」
「即答された!」
「へっへーん!名前刑事が結婚なんて、まだ早いのよ!」
「アハハ…」

園子の言葉に「(もう29なんだけどねー)」と名前は苦笑いをした。
三人で話をしていると、小五郎を連れた蘭とコナンが戻って来た。

「みんなお待たせ!」
「あ!蘭さんが戻ってきましたよ!」
「もー!遅いよー!歩美、早く乗りたーい!」

子ども達がそう言うと、蘭は「みんなごめんね!」と謝った。

「それじゃあ、乗り込みますか!」
「やっと乗れるんですね!」
「待ちくたびれたぜ!」
「早く乗ろー!」

乗客が乗り込むと、列車が走り出す。
車内はすべて個室になっており、名前達はコナン達と別れて一番先頭にある8号車に向かった。

「わー!電車の個室とは思えないくらい広いね」
「本当だな」

小五郎も部屋の中を見ながら同意した。

「飲み物でも頼む?」
「そうだね!」
「名前刑事、何飲みますか?」
「どうしようかな」
「俺はビール…」
「お父さん!この後推理クイズも始まるのに、ビールなんか飲んでる場合じゃないでしょ!」

どさくさにまぎれてビールを注文しようとする小五郎を、蘭が注意する。
名前達が飲み物のメニューを見ていると、突然部屋のドアをノックされた。

「ん?」
「ノック?」
「子ども達かしら?」

名前が扉を開けるが、そこには誰もいない。

「あれ?」

下に視線を向けると、一通の封筒が落ちていた。

「何だろう?」
「どうしたんですか?」

落ちていた封筒を拾い、部屋の中に戻る名前。
封筒を開けて、中に入っているカードを確認する。

「”おめでとう!あなたは共犯者に選ばれました”…って、推理クイズの共犯者って事かな?」
「へー!ウチらが共犯者に選ばれたんだ!」
「共犯者だあ?」
「何て指示が書いてあるんですか?」

名前は「えーっと…”7号車B室にいる被害者役の人間と部屋を入れ替わり、訪ねて来る探偵役をだまして盛り上げたし”って書いてあるよ」と指示の内容を読み上げる。

「じゃあ早速7号車に行こうよ!」
「楽しそうだね!」
「はい!ワクワクしてきました!」
「共犯者ねえ…」

名前達は被害者役の人間が待つ7号車のB室を目指した。

「じゃあ、早速!」

部屋の前に到着すると、園子がB号車の扉をノックする。
中からこの部屋の乗客である室橋悦人が出てきた。

「ん?あ、あんたはさっきの…」

室橋は小五郎の顔を見ると一瞬驚いた表情を浮かべた。

「何か用か?」
「実は、このカードが私達の部屋の前に落ちていまして…」

名前は室橋にカードを見せると、室橋は怪訝そうな顔から一気に笑顔になった。

「ああ、君達が8号車B室の乗客か。俺のところにも同じようなカードが落ちていたよ」
「そうだったんですね」
「すぐに出よう」

室橋は部屋を出ると小五郎の方を見る。

「そうだ、毛利さん。この推理クイズの答えを解説する探偵役を探しているようで、もしよければぜひ」
「わ、私がですか?」
「えー!いいじゃん!」
「お父さんにピッタリだよね!」

蘭と園子にそう言われ、小五郎は「あ、じゃあ…まあ」と了承した。

「食堂車で待機していたほしいみたいですよ」
「食堂車?」
「あっちです」

そう言って6号車に繋がる出入口の方を見る。

「それでは、また後ほど」
「はい」

小五郎は「それじゃあ、俺は食堂車に行ってくるからな」と名前達に別れを告げる。

「ビール飲んじゃダメだからね!」
「わ、分かってるよ!」

食堂車に向かう小五郎と入れ違いで、今度は世良が7号車にやって来た。

「あれ?名前さん達は8号車じゃなかったっけ?」
「真純ちゃん」
「実は、今回の推理クイズの共犯者に選ばれたの!」

名前は室橋に見せたカードを世良にも見せる。

「へ〜!面白そうだね!ボクも一緒に共犯者になってもいいかい?」
「もちろんだよ!」
「それじゃあ、中で探偵役を待つとしますか!」

名前達は7号車B室の中に入って、探偵役に選ばれた乗客の到着を待つ事にした。



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