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「真は制服も似合うねえ」

撮影の間の休憩中。教室のセットの机に座った白いブレザーの制服姿の真をまじまじと見ながら、私は感嘆の声を上げる。本当にいい。良すぎる。恋しちゃう。この子本当に高校に通ってて大丈夫なんだろうか。人類の宝なのか?……と血迷った感想が脳内で浮かんでは消える。そのくらい真はこの制服が似合っていた。
真はボクだって女子高生なんですからそりゃあ……などとぼやきながら若干複雑そうな表情を浮かべている。

「いやごめん、それは分かってるんだけど。真はあんまり制服で事務所に来ないから、こうして仕事とかじゃないと制服姿を見る機会とかないし、新鮮で……でも本当に似合ってるよ、私ドキドキしちゃったもん」

そう言うと真はぱっと顔を上げた。がたんと椅子を揺らして、机に手をついてこちらに乗り出してくる。

「プロデューサー、ボクでドキドキしてくれたんですか!?」
「え、う、うん、爽やかなカッコかわいさというか……真の良さが今回前面に押し出されていて……良いと思うよ」
「そっかあ……へへっ、嬉しいです!ボク、もっとプロデューサーのことドキドキさせられるように頑張ります!」

だから、覚悟しておいてくださいね!
教室の窓から漏れる光にそう言って笑う真が一層輝いてみえて、すでにもうドキドキしっぱなしなのは言ったら心臓がもたないな……と思う私なのであった。