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歌仙兼定はわたしに厳しい。初期刀として審神者であるわたしを支えねばという思いが強いのか、それとも別の要因があるのか。ことあるごとに、みなの主としての自覚はあるのかだの、書類は早めに出せといつも言っているだろう、だの、その格好では体を冷やすからもう一枚羽織るべきだだのーーいや、こうしてみるとなんというかーー
(お母さん……?)
「……きみ、今何か失礼なことを考えただろう」
「え?あはは、やだなあ、そんなことないよお」
歌仙はジト目でこちらを見た。全く疑わしい、と言った表情だ。……なんでわかったんだろう。これが神様パワーというやつなのだろうか。
「全く……主、手が止まっているよ」
「ああうん、ごめん歌仙」
しかしなんだかんだ言ってこの刀、私が提出期限ギリギリまで溜め込んでしまっていた書類を片付けるのに尽力してくれているのだから、なんというか……こう……
それ以上考えるとまた歌仙に睨まれそうだったので、私は目の前に積み上がった紙の束へと意識を向けた。