2
全国大会が終わったら。そう心の中で決めていた。
ある日からいきなりテニス部のマネージャーになった私。引き受けた仕事だから全力でやろうと思ったし、なによりテニス部の練習を見ていてこんなにも白石君や忍足君が一生懸命になっていると思うとすごく支えてあげたいと思った。私ができる範囲で精一杯尽くした。さすが、聖書と言われている白石君が部長をしている私たちのテニス部。本当に強くてなんと全国大会まで来たのだ。
「ほんますごいね!」
「これもミョウジさんが俺らを支えてくれてたからやで」
私が白石君に称賛の言葉を言えば必ずこう返してくれる。言われて嬉しい反面、本当に私は皆の為になってたのかな?なんて思う。私がマネージャーになってから私が恐れていたことがおきるかなって少し思っていた。まあ大きく言ったら嫌がらせみたいな事。でも大きな事件になるようなことはなかった。それでも少し私に対する女の子からのチクチクする視線は感じた。けど、ほとんどの女の子がミョウジさん頑張ってね、とかミョウジさんなら大丈夫と声を掛けてくれた。期待されてるって思えばやる気もさらに増す。そして四天宝寺テニス部が全国行きを決めたときは私も心の底から喜んだ。
ここまで築き上げてきたものだから、やはりそれまではこの緊張感を変に乱したくなかったし、私個人の腹を括る決め手でもあった。
私は贅沢なのかな?こんなキラキラした人たちの傍にいれるだけで十分なはずなのに。いつのまにか彼の為に仕事をしているような気がした。彼の為…そうは言っても結局は彼にいいように見られたかったのかもしれない。自分の為に働いていたのかも。いつからかは分からない。けどいつのまにか私は白石君を目で追っていた。
だからこの大会が終わったら、私は自分の思いを伝えようと決めた。彼のことも、この部活のことも、部員のことも大好きだから、最後まで見守る、そう思った。
全国大会。
結局優勝はできなかった。みんなも私も本当に悔しかった。でも皆の顔は清々しかった。皆分かってる。全力出し切ったって。試合が終わった時悔しさと悲しさでいっぱいだった。でもその後の皆の顔をみて思った。私マネージャーやってよかったなって。あの時白石君と忍足君のお願いを断っていたら…なんて。
全国大会が終わってから何日か過ぎていた。私は白石君達とテニス部に顔を出していた。全国大会が終わったからってそうすぐにテニスをやめれるわけもなく。やっぱり白石君たちも寂しいのかな、二年生や一年生に混ざって練習に入っていた。
そろそろ自分はけじめつけなきゃって。練習終わりに白石君にいう事を決めた。
別にね、見返りを求めてるわけじゃないんだ。でも私も頑張ってきたし、少しくらい優しくしてくれてもいいんじゃない?神様。
思いを伝える事すら叶わないなんてね。
ケータイをいじってる白石君を不意に見たとき見ちゃったんだ。画面の背景。仲良さそうに肩を寄せ合う二人の男女を…ね。
end.
130817