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「あれ、皆して集まって何してんの?」

視線の先には人だかり。その中心には頭一つ飛び出た坂本の姿が見え、珍しく声をかける。
桂や銀時、高杉らとはちょくちょく話すものの、以外にもお喋りそうな坂本とは中々喋る機会がなく今のところ全く交流してこなかったのだ。

「おお、おまんか!珍しいもんが入ったきお披露目中じゃ。おまんも見とーせ!」

笑顔の坂本に手招きされ集団の中に入れば、そこには衣類から食料などの物資が大量に積まれていた。

「今回はめっちゃ大量じゃん!……でもこれって普段と一緒じゃない?何が珍しいのさ」

「あれじゃ。あれ」

量は確かに多いものの、ざっと見て普段仕入れている衣類や食料と何ら変わりない。
何が珍しいのか首をかしげていると、自慢げな表情ながら堪えきれない笑みをこぼしつつ坂本が指さした方を見れば一際大きな箱。
中の物が壊れないよう丁寧にクッション材を敷き詰めた中心にあったのは、漫画でよく見たあの武器。

「これってもしかして……バズーカ?」

自分の身長の半分ほどはありそうなそれは、黒く、鈍く光り、触れればそこから温度を奪っていくような冷たさだった。
これはアレだ。原作で某お巡りさんの一番隊隊長がよく持っているアレにとてもよく似ている。流石に作りはこちらの方がシンプルだが、きっとこれから時代と改良を重ねてあのフォルムになるんだろうなという事がうかがえる。
正直この時代のこの陣営でこんな代物をお目にできるとは思わず、上がるテンションのまま持ってみてもいいかと断りを入れれば、あっさりと快諾され、更に重いから気を付けてと気遣いの言葉を頂戴した。

改めて触れたその冷たさにゾワリと背筋を震わせて持ち上げてみれば、見た目からもやはりという具合にずっしりとした重量感。
攘夷の皆と違い、鍛えているわけではない自分が扱うには無理があり、試しに とふらつきながら格好だけでも担げば、これは肩こりと筋肉痛は必須だ。

「うっわ、おっもたいねこれ。他と違って威力は凄そうだし持ち運べる利点はあるけど、これをもって戦場駆け抜けるには相当マッチョじゃないと無理じゃない?」

なんとか落とすまいとプルプルしながらも肩に担いだ体制を維持しつつ周りに問えば、そこは男の領分だからと周囲に笑って返された。
別に他意はなく非力だと馬鹿にされているわけではないが、どうにも負けず嫌いが出ているのか悔しく感じる。
ただ、事実持ち上げているのがやっとなので食って掛からず、けれどじとりとした視線は送っておいた。

「で、これってもう撃てる状態なの?弾入ってる?」

「勿論じゃ!お披露目がてら、向こうで一発試し撃ちでもとおもっちょったところぜよ」

「ふーん……まあ試し撃ちは気になるけど、見るからに音デカそうだし奇襲だって思われて攻撃されないようにしないと……っと、うおっ!!」

「おあ!?」

どうせなら自分もその場にお邪魔させてもらおうという打診をするため坂本に向き直ろうと体制を変えた時、担いだままだったバズーカの重さにバランスが崩れ、後ろに向かってぐらりと傾く体。
貴重なバズーカを持ったままという事もあり、周囲の動揺は激しく、言っちゃ悪いがかなりの変顔の人もいた。
とは言え、今自分が手にしているのはとても貴重なバズーカ。
万が一にも壊れてしまったら責任などとれないと周囲の反応を笑う暇なく、自らも焦りに焦った挙句……


うっかりバズーカのトリガーを引いちゃったよね。
いや、その……ごめん。


ドカン だか ズドン だか、とにかく耳元で大きな音と体に伝わる衝撃。
元々十分に踏ん張りのきかない状態で撃ってしまったために衝撃をもろに体に受け、そのまま地面にたたきつけられる。
ゴリッとあまりよろしくなさそうな音が肩から聞こえた気がするが、正直プチパニック状態なためか痛みは感じず、まずはバズーカが無事かを体を起こして確認した。
地面に倒れた時、バズーカは直接地面ではなく自分の肩にたたきつけられる形になったため、そうそう壊れはしないと思いたい。
後で三郎にみてもらわないと安心はできないけれど……

周囲の喧騒をよそに、撃ってしまった弾の行方を見やると、先日ひとみが穴に落ちたという林の方に落ちていったのが確認でき、同時に地響きが起こった。

あの、何て言うか本当……うん。


申し訳ない……
(ねえ大丈夫?!前みたいに攻められてない?!セーーーーフ!!)
18/0922