ハロー、ニューワールド。

暗い部屋に閉じ篭って、私はスマホの明かりをひたすら見つめていた。ずっとずっと、途方もなく長い間。

だからといって、やることは何もないけれど。
自分のお気に入りだけを発信するようにしていたSNSのアプリだって、ずっと開いてすらいない。
__だって、あの人がいない世界を切り取ったって意味がない。

何度も自分が生きる意味を考えた。意味なんてこれ以上この世界には見いだせなくて、何度も死のうと思った。

そのたびに、いつも頭を過るのは数年前に投稿された、あるミュージックビデオだった。
未来機関によって検閲されてしまって、今はもうネットの海には存在しない。でも、私は彼女のパフォーマンスが好きで、ファーストアルバムの限定版についたファンディスクを持っている。それを私は無感情に擦り切れるほど再生しているのだ。

今日も無言で再生すると、彼女のシャウトが私の空っぽな体を満たしていく感覚を覚えて、彼女の生き方が好きだったことを何度でも思い出すんだ。

「ミオちゃん」

魂を削り出して歌う彼女の姿を見つめていると、自然と自分もまだやり残したことがあるように思える。でも、そんなもの到底見つけられない。
あの人も失ったし、ミオちゃん__いや、澪田唯吹は、この頃のようには歌ってくれなくなった事実は、変わりようのないことなのだから。

馬鹿馬鹿しいと自分でも思うけど、それでも強く願わずにはいられない。

何もかも、この頃に戻ってしまえばいいのに。









ふと、目の前に現れた扉を開いた先は、教室だった。なぜだろう、大事なことを忘れているような気がするけど、それが何かも思い出すことができない。

「……お前も、『超高校級』?」

誰かにそう問われて、頷く。
私は美澄叶。超高校級の才能を持つ、今日この日、希望ヶ峰学園へ入学する一人である。