▽少年と迷子のえいりあん




学校の帰り道

僕は『えいりあん』を拾った。

空色の、丸い…例えるなら 海月 みたいな…そんな感じの…。

怪我をしているみたいだったから、連れて帰って手当をしてあげた。






「──────…ん…これでもう大丈夫だよ。」

「──…!」


僕の言葉が通じたのかは分からないけど、なんだかちょっと 嬉しそうにピョコン、ピョコンと飛び跳ねている…。……可愛い…。
懐いてくれたら、嬉しいなぁ…。

そうだ…名前決めてあげないとだよね…
うーん……どうしようかなぁ…
あんまり変な名前だと嫌われちゃうかもしれないし…


「ぁ……空色…」

「……?」


…うん。"これ"にしよう。
ちょっと安直かも知れないけど…他にピンも来るものがなかったし…犬とか猫みたいな名前にするよりマシだと思うし…


「今日から 君は "ソラ" だよ。沼田 ソラ。」

「……!」


ソラの瞳がぱぁっと明るくなった。
喜んでくれたみたいだ…嬉しいなあ…


「これからよろしくね、ソラ。」

「( 嬉々として優の周りを飛び跳ねている )」




──────────…こうして、僕とソラの生活が始まった。