
風邪ひき彼女と種ヶ島
ツイートまとめ
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「風邪ひいちゃったから週末のデート無しにして欲しい。ほんとにごめん」半べそでメッセージを送ると修二からは了承と心配が返ってくる。看病行こか?とまで言ってくれたけど、移しでもしたら大変だ。一人暮らし何年目だと思ってるの!寝てれば治るから大丈夫!なんて威勢よく断って一人目を閉じる。
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今の失敗だったかな。逆に無理してるって思われたかも。彼鋭いし。そう思いながらもすぐに睡魔がのしかかってきて、すとんと眠りに落ちた。
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ハッと目を覚ますと枕元のスマホが震えている。アラーム?てか今何時?薄目でぼんやり画面を見ると彼の名前があって。首を絞められてるような酷い声でなんとか応えた。「起こしてもうた?ごめんな。でもゼリーとか買うてきたから、食べられそうやったら食べや。下の宅配ボックスに入れとくから……」
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話の途中で電話を切り、つっかけを履いてエントランスへ急ぐ。一応行きしな手櫛で髪を撫で付けたが、寝癖がおさまっているのか知る術はない。だるだるのスエットだし、顔も洗ってないし、多分すごい寝癖だし。本当はこんな姿見せたくない。それを分かった上で、彼はお見舞いの品だけ届けてくれようと
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したんだと思う。そういう人だって知ってる。でもどうしても寂しくて会いたくて、我慢ならなくて飛び出してきてしまった。
オートロックのマンション入り口を潜ると、再度通話をかけてくれていたらしい彼が目を丸くして私を見た。
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「そないな恰好で出てきたらアカンって!」「え、……あ、そ、そうだよね、こんなボロボロで……」「いやいやそうやなくて!無防備すぎるて!ここに俺以外のヤツおったらどないするん!?風邪やのにこんな薄着やし……」あたふたした彼が、私の肩に自身の上着を掛けた。あたたかい。
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弱っている時に優しくされて、私の天邪鬼は撃沈。「だって会いたくて……」普段は言えないような本心をポツリこぼすと、彼は天を仰いだ。今俺は試されている、と。