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大曲に名前を呼ばれたい話

プラスタグSS

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 竜次は私を"お前”と呼ぶことがほとんどだけど、私はそれが嫌じゃない。他の男子にお前呼ばわりされたらきっと文句を言ってしまうのに。私ときたら、ぶっきらぼうな言葉選びが気にならないほど竜次のことが大好きなのだ。
 とは言え竜次の口から彼の友達の名前がスラスラ出てくるのを聞くと、ちょっと妬いてしまうのもまた乙女心。友人相手に対抗するのもおかしな話だけれど、例の如く”お前"と言われた拍子に「私の名前は”お前”じゃないんですけど」なんて可愛くない台詞が口をついた。
 彼が不機嫌そうに「あ?」と濁点混じりの返事をよこしたのでハッと我に返る。
 しかし、弁明しようと慌て出した私の目を見て竜次は「そんくらい知ってるし」と呆れたような、それでいて優しい声で普段呼んだりしない下の名前を口にした。
 名前を呼ばれるだけでこんなに幸せになれちゃうんだ……。赤くなって驚くばかりの私の頭を、大きな手がポンポンと撫で付けた。



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