休憩時間。
春とはいえ、テニス部は照る日差しに汗を拭っていた。
マネージャーには、部員にタオルやドリンクを渡すという業務がある。休憩時間こそ、忙しい―――、
「月鳥〜〜」
「ぐぇっ」
 私の口からは、女の子とは似つかない声が出た。後ろから乗せられた重さに負け、転倒しそうになる。

「あんたか、仁王……重いんだけど」
「俺は暑いのが嫌いなんじゃから仕方ないじゃろ」
「私と仁王の身長差考えて。華奢な私が支えられると思ってるの」
「え?華奢??」

わざとらしく仁王は口に手を当て、目を見開いた。 こいつ、ぶっ飛ばしてやろうか。

「たくましいし、立海の姐さんって呼ばれてるもんな」
ブン太が甘いお菓子を食べながら笑う。よくこんな暑い中食べられるな。

「夜はいろんな意味で強いからな」
「柳までそんなこというの!?」
柳は優しいし、頼りになると思ってたから少しショックだ。けど、冗談を言い合えるような仲になれたのは嬉しい。

「あのねぇ〜!夜さんは、立海たった一人のマネージャーなんスからね?!」
「そ、そうだよ赤也の言う通り! もっと敬いな」

マネージャーを志望してくれる子は沢山いたが、その子達はほとんど「部員目当て」だった。ブン太、仁王、幸村くんあたりは人気で他の部員にはドリンクを渡したりもせず、退部を命じられた。それからマネージャーを募集することは無くなってしまった。

「おーーい!新しいマネージャー希望の子来てくれたぞー!」

なんか黒いのが見える、と思ったらジャッカルが手を振って歩いてきていた。
後ろには、一人小さな女の子が小走りで後を着いてきていた。

あとがき
呼んでくださってありがとうございます! 【名前の呼び方について】呼び方って結構ゲームと原作とで違うんですね。仁王くんは、丸井くんのことブン太って呼んだり丸井って呼んだり。私はブン太呼びして欲しいですね。3年B組は可愛い、仲良し……、うぇーい、みたいな感じでいて欲しいです。