小男と大女1



小男と大女1

私は名前
駐屯兵団で、主な仕事は酔っ払いの喧嘩の仲裁や見回りと称してフラフラしてるだけ
恋人も居て、酔っ払いをブン投げたりしながらも休みは恋人とまったり
それで満足
そのはずだったのに

「調査兵団?!」

ある日私に降りてきた辞令には間違いなく調査兵団と書いてある
あんな巨人と年中戯れ、死者を沢山出している調査兵団になんか行きたくない
恋人とも会えなくなってしまう

辞令について話がしたいと辞令の日付に調査兵団団長のエルヴィンに呼ばれた

「名前・苗字、入ります」

ノックを2回して部屋に入るとニコニコと笑うゴーグルのスレンダー美人とやたら小さい男とエルヴィン団長が居た

「やぁ、君だね、名前は。私は分隊長のハンジ。ハンジ・ゾエだよ。宜しくね」

やはりニコニコとしているハンジ分隊長に戸惑いながら何とか自分も挨拶をする

「名前・苗字です。駐屯兵団所属、でしたが、本日より調査兵団になりました。宜しくお願いします」

「名前、君の噂は聞いているよ。格闘術に長けているらしいね。その技術を是非調査兵団で活かしてほしい」

エルヴィン団長がそう言うと、1番偉そうな小男が嫌そうに私を見た

「オイ、なんだこのクソデケェ女は。女か?格闘術に長けてても巨人は削げねぇだろ。うちの班にはいらねぇぞ」

実は私の身長は186センチで大きいのを気にしてる
恋人は頼りがいがあっていいと言ってくれるが、クソデケェとまで言われて黙ってられるほど私は大人しくなかった

「あら、居たんですか。余りにも小さいからノミが喋ってるのかと思いましたよ」

「ストップストップ!リヴァイ、失礼だよ」
「そうだな、自己紹介くらいしたらどうだ?」

ハンジ分隊長とエルヴィン団長に促されて、やはり嫌そうに小男は自己紹介をする

「リヴァイ。特技は巨人を削ぐ事だ」

え?これがあの誉高いリヴァイ兵長?と思う
噂で聞いたリヴァイ兵長はもっと素敵な人だと思っていたのに、チビで目付き悪くて口も悪い最悪の男だった

その後、私はハンジ分隊長の元で捉えた巨人(ソニーとビーンとハンジ分隊長は呼んでいた)の実験などに従事していたが、ある日リヴァイ兵長に呼ばれた

リヴァイ班に紹介してくれるらしい
リヴァイ班はみんないい人で、相変わらず兵長は私が気に入らないみたいだった

そして実戦を、と言われたのだが、リヴァイ班を投げ飛ばしてもいいのだろうか?
ハンジ分隊長に一応聞いたら、見せてあげればみんな驚くよー、と言われ格闘することになった

最初はオルオさんから
襟元を掴もうとした手を掴んで捻り、そのまま背負い込みにして投げた

その調子で班員(女の子は投げられなかったのでペトラを除く)を殴ったり倒したり関節を極めたりした
そしてラスボス、リヴァイ兵長が名乗りをあげた

「俺は簡単に投げられねぇぞ、クソデカ女」
「せいぜい頑張って下さいね、チビ兵長」

潰す!という気満々でジャブを打つ手を捕まえられ、オルオさんにしたみたいに背負い込みにする形で投げられた

背中を強かに打ち、空を見上げるとリヴァイ兵長が話にならねぇな、と憎まれ口を言う
悔しくて、立ち上がりその辺にあった石を投げたら頭に当たってしまった

「勝ったと思わないで下さいよ!」
「この…クソデカ女」
「はいはーい、名前もリヴァイもストップ」

ハンジ分隊長に仲裁され、お互い退くことになったが、私はリヴァイ兵長が大っ嫌いになった
それは多分兵長も同じだろう

ハンジ分隊長の下で仕事するのは楽しいが、私の調査兵団ライフは前途多難な気がした

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