愛の障害にもなり得ない


霊と人間の区別がつかなかった。それが幼子の僕であった。
この世に生きている人間と、ポケモンと、成仏できなかった霊。大まかに区分付けをするならば、この3種類が僕の目に見えるものであった。
僕は皮肉なことに、色々なものが見えるついでというように、霊的なものも多少は感知できるようで、ぽつりとそういう発言をしては両親や周りの人間を困らせるのが常であった。

「だから、きみも僕のことを不気味がって離れていくと思っていたよ。」
「離れていくわけないでしょ。私って一途なの。恋の力ってすごいんだから。」
「こんな風変りで病弱な唐変木、付き合っても益はないし、意味もない。損しか与えないんだけどね。」
「それでいいの。タナトくんだから好きなのっ!」
「…きみも強情だね。」


タナトと元許嫁の女
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