「マツバ君、玉ねぎ切ってもらっていい?」

「構わないよ」

「ありがとう」

マツバ君と私は、昼ごはんの支度をしていた。その間、ばあやでもあるイタコさんに娘の世話をしてもらっていた。

「美味しそうな匂いがしたのですか?」

とイタコさんが、匂いのした方を見た娘に言った。

「私も、食べれないのにね。」

「あおあおあ」

イタコさんに呼応するように、娘は、返事をした。まるで、それは祖母に愚痴を言う孫のように見えた。それがあまりにも可笑しくて、マツバ君と私は、声に出して笑った。

「はははは、流石僕達の娘だね」

「あはははは、面白すぎる」

と家庭内にマツバ君と私の笑い声が響いた。