ちょっとだけ懐かしい

「ん…。」

起きてすぐに、違和感を感じた。
身体中が痛い、病院じゃない、少しだけ、頭が軽い。

「起きた?随分良く寝てたね。」

例えるならそれは太陽みたいな、そんな笑顔が目の前に現れて、慌ててたじろいだ。
後頭部を壁にぶつけて、辺りを見渡すと、歳和も行かない少女達が、各々を過ごしている。

「大丈夫?」
「あ…うん。」
「今日はもう解散だから、ゆっくり休みなよ?」
「…ありがとう。」

明らかに、まだ中学生であろう少女に心配されて、笑う。
何とか体を起こして立ち上がった。

「なっち起きた?帰ろー。」
「…え、なっち?」
「どしたの?」
「いや、えっと…うん、帰ろう。」

明らかに、私を見て『なっち』と言うもんだから、思わず動揺した。
さっきまで、隣のベッドで衰弱していた彼女も、なっちと言っていたけれど、その彼女と同一人物なのだろうか。

いや、それよりも、今、私?ん?

恐る恐る、鏡を見る。
そこには、まだ幼い、少女の顔。

「嘘やろ…。」
「なっち置いてくよー。」