お互いに *
あぁ、自分がこんなにもはしたない女だったなんて…
いつもはきっちり装備してる服も、今は乱れ、まだ、誰にも触れられた事のない場所に自身の指を挿れては声が出ないよう必死に耐えながら快楽へと溺れる
いつからだろう…感情が昂ぶって、こんな事をするようになったのは…
キャンプ地から少し離れた場所、暗く、静かな森の中は吸い込まれそうな闇が広がっている
女神像がうっすらと見える位置、ここまで効力が効いているかは定かではないが、魔物を寄せ付けない聖なるお守りによって、自身も守られている為ここまで離れる事ができる
誰にもバレてはいけない…
「はぁ…ん…」
溢れる吐息、その色香を含んだそれは誰に聞かれる事もなく森の中に消えていく
くちゅくちゅと鳴る水音に身体だけでなく心までも昂ぶっていた
ガサリ…
「!」
近くで葉がなる音がした
魔物か?いや、だとしたらとっくに襲われていてもおかしくはない…
じゃあ…
「こんな夜中に抜け出して何してるのかと思えば、一人で慰めてたのか?」
色気を含んだこの声は、間違いない
「…カミュ」
振り返る事なくその名を呼べば、距離を一歩一歩つめてくる
あぁ、誰にもバレたくなかったのに…
「随分お盛んだな。溜まってたのか?」
近くにくるや否や濡れた手を掴まれねっとりと舐め上げられる
「…やめて」
「溜まってたんだろ?なんだったら相手してやるぜ?」
じっとこちらを見ながら妖艶に笑う彼はまさに狼そのものだ
「相手になってもらわなくて結構。一人で十分だから」
掴まれた手を振り払おうとしたが、余計に強く掴まれ離す事ができない
「ちょっと…!」
「そんな乱れた姿見せといて何言ってんだ」
「勝手に見ただけでしょ、離して。」
「嫌だね。リア」
掴まれた手が痛い。そう思っていた時、名を呼ばれ、ついカミュの方を見てしまった
きっとそれがいけなかった…
彼の唇が私のそれと重なる
掴まれた手は痛いのに、彼の唇はそれとは反対にとても優しく、熱い
重ねては離し、時折唇を厭らしく舐める
輪郭を確かめるように…
そうして、少し開いた隙間から舌を浸入させ私のと絡める
最初は伺うように…次第に激しく、口内を犯していく
「…ん、ん、……はぁ…」
喉の奥からでる声に比例するかのように身体も熱く火照っていく
「リア」
思考がうまくいかない…
否定しなきゃ、逃げなきゃ…そう思うのに、彼のギラついた瞳が自分を逃してくれない
「か、みゅ…」
これではまるで自分が彼を求めているようだ…
掴まれていた手は既に離され、好き勝手に身体を触られていた
「ふっ…あ、ん…ん、」
先ほどまで自身の指が入っていた所には違う、自分よりも太く長い指が遠慮なく律動を開始していた
今までのとは違う、波のように襲う快楽にできるだけ声を殺そうと、知らぬ間にカミュにしがみついていた
「やっと欲しくなったか?」
違う、と否定したいのに…奥を刺激される度身体は素直に喜び、もっとと、強請ってしまう
「はぁ…ぁ、カミュ…か、みゅ…!」
ギュッとしがみついた背中に爪を立て、限界ぎ近い事を知らせる
それを知ってか知らずか、グチュッと音を立てながら指を引き抜くカミュ
「……ぇ、…はぁ、はぁ」
「お前だけ先にイくなよ。俺だってもう限界なんだから」
そう言ってカミュは自身を中に挿れてきた
「ひぃ……は、あぁ…!」
大分解れていたのか、痛みはないにしろ、味わった事のない圧迫感にポロポロと涙が頬を伝う
「…く、キツ…!」
カミュもカミュで中がきついのか顔を歪ませながらゆっくりと律動を開始する
声が出ないように必死に唇を噛み締めていれば気付いたカミュが自身の唇を押し当てる
それからゆっくりと口内を堪能するかのように舌を絡ませ、下でもじっくりと味わうようにゆるゆると動いたかと思えば激しくぶつかるように奥まで突き上げる
「か、みゅ…も、私…!」
「イケよ…」
カミュの言葉を待つ事なく奥を突き上げられた瞬間絶頂へと達した
はぁはぁと荒くなる息
ビクビクと痙攣する身体
「リア…休んでもらっちゃ困る」
え、と聞き返す前に動き出したカミュに達したばかりの身体がまたびくりと動く
「ま、今イッたばっ…か、」
「待てねぇよ。悪いが俺も限界なんだ」
ぢゅっと首筋に吸い付いたカミュがだめ押しとばかりに激しく動き、ほぼ同時に私達は達っした
「はぁー、最悪」
情事も終わり、さっさと乱れた服を直しながらぶつくさ文句を言うと、同じく服装を直しながらむすっとしたカミュがこちらをジッとみながら口を開く
「そんなに俺とはするの嫌だったのかよ」
まるで拗ねた子供のような言い方にドキリとした
「べ、別にそーゆーんじゃ…」
「じゃあなんだよ」
返答に、困る…
カミュが嫌いな訳じゃない、寧ろ、望んでいた方だ
旅をする中で段々と気になってきて、彼に見て欲しい、触れて欲しい…
そんな気持ちが溢れてあのような行為を度々していたのだから
でも、
「カミュは、嫌じゃないわけ?」
「は?」
「好きでもない女と…」
そう言ってカミュを見れば彼はこれ以上ない程眉間に皺をよせ不機嫌顔だった
「お前なー、普通察するだろ」
呆れた物言いで言う彼に少しだけムッとしながらも黙って聞いていると、
「好きでもない女の裸見て興奮するかよ…分かれよな」
そう言ってそっぽ向いた彼の横顔は月明かりに照らされほんの少し赤かった気がする
「お前はどうなんだよ」
不安と期待が混じったような声色に、少し笑いながら、「察してよ…」彼の手を握りながら呟いた