豆腐禁止令の段
それから学園長先生の所から戻っていた兵助も加えて僕と八左ヱ門は勘右衛門の策戦のあらましを聴くと驚きの声を先に挙げたのは兵助の方だった
兵助「えっ?!だからって、なんで俺が豆腐禁止になるのさ!!」
八左ヱ門「だから言っただろう?雷蔵と三郎を仲直りさせるためだって」
勘右衛門「もう少し詳しく言うとだな‥‥お前が二人の仲直りを神仏に祈り、祈りが届くまで豆腐立ちをするという設定だ!」
兵助「っ、設定って‥‥」
勘右衛門「幸いお前の豆腐好きは広く世間に知れ渡っている喜べ〜世間の人は豆腐=久々知兵助と思っているぞ!」
と笑顔で兵助の肩に手を乗せながら言う勘右衛門に苦笑いしながら答える
兵助「それっ‥‥喜ぶとこ?勘右衛門は二人の仲直りを神仏に頼るのかい?」
勘右衛門「ま、話を最後まで聞け、俺達は忍者だ迷信を術に使うことはあっても自分が迷信に囚われてはいけない
これは悪魔で三郎に対する術だ!
お前が豆腐立ちをすればそれはすぐに学園中に広まり三郎の耳にも届くだろう!
そして三郎はこう考える!」
僕は三郎の声のまねを演じる羽目になった
「自分たちのケンカが原因で命より大事な豆腐を食べられないとは‥‥なんという悲劇!!」
兵助「い、いやぁ〜せいぜい命の次だよ!汗)」
「このまま豆腐を食べられなければ兵助は再起不能になってしまう!」
兵助「ならないって‥‥汗)」
勘右衛門「それは、三郎に今回のケンカの原因の根本を考えさせることとなる」
「ふん!だからって、なんで私が謝らなくちゃいけないんだ!悪いのは絶交を言い出した雷蔵じゃないか!!
‥‥でも、それを言わせたのは‥‥」
勘右衛門「そう思いいたった三郎は心から雷蔵に謝るのであった‥‥めでたし、めでたし」
八左ヱ門「イイ話じゃないか」
「‥‥って、なんで僕が三郎の声まねの演出をせねばならんのだ!!」
勘右衛門「いいだろう?別にお前変声が得意なんだからさ
つまり哀車の術を風の術にのせて広めるというわけだ」
兵助「それはわかったけど‥‥本当にうまくいくのかい?」
勘右衛門「一刻でも早く解決したいところだが‥‥
今日が駄目でも明日、明日が駄目なら明後日に賭ける!
どう考えてもこの方法しかない!」
兵助はしばらく考えたそぶりを見せた後渋々了承した
兵助「わかったよ‥‥そいうことなら協力するよ」
その翌日早速策戦は開始されたのだが‥‥
勘右衛門は兵助に拷問のような任務を与えていた
それは兵助の部屋の机の上に豆腐立ちの効果を上げるために豆腐を目の前に一つだけ置かれており兵助は力なくうなだれて横たわっている。
兵助「‥‥酷いよ、勘右衛門いくら豆腐立ちの効果を上げるためだからと言っても、わざわざ目の前に豆腐を置かなくてもいいのに‥‥
これじゃあ、お預けをくった犬だよ‥‥泣)」
そんな様子の兵助たちの前に鼻歌を歌いながら歩いてくる乱太郎たちが通りました。
それに気づいた兵助が乱太郎たちに声をかける。
兵助「あ、乱太郎‥‥きり丸‥‥しんべヱ」
乱太郎「久々知先輩!!大丈夫ですか?!」
しんべヱ「先輩やつれましたね」
と心配そうに声をかける二人に苦笑いしながら答える兵助
兵助「あはは‥‥もう24時間豆腐を食べてないからね‥‥」
しんべヱ「えぇ〜!24時間も!?あぁ〜!!
僕なら耐えられない早く!お腹いっぱいお豆腐が食べられるといいですね!冷ややっこでも、揚げ出し豆腐でも、麻婆豆腐でも何でもいいからお豆腐が付くものを」
豆腐のメニューを想像した兵助はしんべヱのように涎を垂らしていたそのことに気づいた兵助は、はっと我に気が付き涎を慌てて拭いた。
兵助「ごめん、みっともないところを見せちゃったね」
きり丸「いえ、涎なんてしんべヱといるとしょっちゅうっすから」
しんべヱ「そうそう‥‥って!僕は朝昼晩の三回だけだよ失敬だな」
とぷんぷんと怒るしんべヱに苦笑いしながら突っ込みを入れる乱太郎‥‥
乱太郎「それをしょっちゅうって言うんだよ!
‥‥それでは、久々知先輩失礼します」
2人「「失礼します」」
兵助「あ、あぁ‥‥」
三人が去り際に小声で話していた
しんべヱ「ねぇ?いつまで続くの?」
乱太郎「二人が仲直りするまででしょう?」
しんべヱ「えぇ?!じゃあ、一年経っても仲直りしなかったら?」
きり丸「卒業まで‥‥だな」
しんべヱ「それじゃあ、卒業した後もできなかったら?」
きり丸「‥‥死ぬまで?」
と悲痛な声を上げるきり丸の声が聞こえて兵助は少なからずというよりかなりショックを受けたようで‥‥
兵助「ガーン)‥‥死ぬまで‥‥豆腐が、たべ、られない!
‥‥ぱったり」
魂が少し抜けたように力なく意識を手放した兵助
その様子を茂みから見ていた勘右衛門と八左ヱ門は小声で勘右衛門に話しかける
八左ヱ門「おい!兵助が倒れたぞ!!汗)」
勘右衛門「まて、この茂みから出るな?!どこで三郎がみているかわからない!」
八左ヱ門「ここで見ているのはこいうときにたすけるためじゃないのか?!」