01
そして迎えた中間テストの日。
紗良は勉強の甲斐あって、そこそこ手応えを得ることが出来た。
特に数学はいつもより出来た気がする。
赤羽君に教えてもらったお陰かな?なんて考えながら、帰路についた。
その途中でよく見知った後ろ姿を見つけ、紗良は駆け寄って声をかけた。
「渚君!」
「あ、紗良ちゃん」
紗良は渚の横に並んで歩きながら、言葉を交わす。
「やっと試験終わって、一段落だね」
「そうだね。でも今回の試験ちょっと難しくなかった?」
「そうかな……? 私は前のテストよりは出来た気がする。赤羽君のお陰もあるかも」
そう言って紗良はニコッと笑った。
「カルマ君の?」
渚は少し不思議そうにそう尋ねる。
「うん。実はこの前ね、赤羽君に少し数学教えてもらったんだ」
「へぇ〜そうだったんだ」
「ちょうどその問題が試験に出て、バッチリ解けたよ!」
紗良は嬉しそうにそう言った。
「そういえばカルマ君ってば、最後の数学の試験30分ぐらいで終わらせて、さっさと提出して帰っちゃうんだよ」
「す、すごい。余裕だね……。でも早く提出して帰るなんてありなの……?」
「うーん。先生も、カルマ君には甘いから……」
そういえば渚のクラスの担任の大野は成績の良い生徒を贔屓すると聞いたことがあるのを紗良は思い出した。
成績の良いカルマは気に入られているんだろう。
「カルマ君、ほんと頭が良くて羨ましいよ。僕なんて……」
そう言う渚の表情はひどく沈んでいるように見えて、紗良は心配になる。
「渚君……?」
不安そうに自分の名前を呼ぶ紗良の声に気づき、渚は慌てて「大丈夫だよ、ごめんね」と言った。
そんな渚の様子をしばらく心配そうに見つめていた紗良だったが、「あ、そうだ」とつぶやくと数歩前に出て渚の方に向き直り笑顔を作った。
「そういえばね、駅の近くに新しいクレープ屋さんが出来たみたいなんだけど、良かったら今から一緒に行かない? 試験も終わったことだし、気分転換にどうかな?」
紗良は明るい口調でそう言った。
渚は紗良が自分を励ましてくれようとしているのに気づき、暖かい気持ちになる。
「ありがとう、紗良ちゃん。じゃあクレープ食べに行こっか」
「うん!」
そう言って二人は仲良くクレープ屋へと向かった。
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