午前0時(ライク・ツー/千銃士R)
※現パロ
※夢主とライクツーは同棲中
時刻は午前0時すぎ。
またやってしまった
スマホには着信とラインの通知が何件も来てる。
全部ライくんからだ。
今日は友達との飲み会で、日付が変わる前には帰ると約束していたのに、友達と話すのに夢中になっている内にすっかり遅くなってしまい、気づいたらこんな時間になっていたのだ。
「どうしよう……」
連絡をしようとして躊躇する。
私は同じようなことをこれまで何度か繰り返していて、ライくんは絶対怒ってるだろうし、なんて言い訳すればいいのかわからない。
私はスマホをバッグにしまい、家へと急いだ。
***
なるべく音を立てないように、ゆっくりと玄関のドアを開ける。
「た、ただいま……」
恐る恐る中へ入ると、ソファーに座っていたライくんが立ち上がって、腕を組んで私を見据える。
「遅い」
低い声でそう言われ、私はビクリと肩を揺らす。
「す、すみません…」
消え入りそうな声で答える私に、ライくんは冷かなや視線を向ける。
「何度も言ってるよな? 遅くなるときは連絡しろって」
「と、友達と話してたら盛り上がっちゃって…気づいたら日付超えちゃってて…」
「せめて気づいた時に連絡しろ。なんで連絡返さないんだよ」
「えっと、ライくんもう寝てるかなって…思って……」
嘘だ。ライくんはいつだって、私が帰ってくるまで起きててくれている。
本当は、ライくんに怒られるのが嫌だっただけだ。
言い訳ばかりつらつらと並べる私に、ライくんは大きくため息を吐いた。
「はぁ……。分かった、もういい」
「え?」
「俺は先に寝るから。おやすみ」
そう言ってライくんは寝室に戻っていってしまった。
……もしかして、呆れられた?
さっと血の気が引くような感覚になる。
いつもならもっとクドクドと説教されるはずだ。ライくんに怒られるのは怖いけど、それだけ心配してくれているってことだと思ってたし、最後はなんだかんだで許してくれて、そんな優しいライくんに私はずっと甘えていた。
ライくんは頭も良くてカッコよくて何でもできて、素直じゃない時もあるけどとっても優しくて、私には勿体ないぐらいのよく出来た彼氏で、どうして私なんかと付き合ってくれてるんだろうと思ってたけど、いよいよもう終わりかもしれない。
ライくんの事が大好きなのに、ライくんを怒らせて呆れさせて、私は何をしてるんだろう。
連絡するぐらい簡単なことなのに、そんなこともちゃんと出来ない私は嫌われて当然だ。
ポロポロと涙が溢れてきて、床にぺたりと座り込む。
「ライくん……ごめんなさい」
しばらく一人でメソメソ泣いていると、扉が開く音が聞こえた。
顔を上げると、寝室から出てきたライくんが私を見下ろしていた。
「ライ…くん…」
「反省したか?」
ライくんは少し困ったような表情を浮かべて、私の目の前にしゃがむと、泣いてる私の涙を指で拭ってくれる。
「怒るより、こっちのほうがだいぶ効果あったみたいだな」
いつもの優しいライくんの手だ。ますます涙が溢れてくる。
私は目の前のライくんに思い切り抱きついた。
ライくんはしっかりと受け止めてくれる。
「ライくん、いつもごめんなさい…!今度からは絶対連絡するようにするから、だから…私のこと、嫌いにならないで…」
嗚咽混じりに訴えかけると、ライくんは私の背中をポンポンと優しく叩いた。
「嫌いになったりしねぇよ。お前のことが好きで、心配だから言ってんの。わかる?」
「うん、ごめんなさい……。私もライくんのこと好き。大好き」
「知ってる」
ふっと笑みを浮かべながらそう言ったライくんの顔を見て安心すると同時に、やっぱり大好きだなぁと思った。
2023.6.30
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