平和なんていらない(清光)
「戦争なんて、早く終わればいいのに」
傷を負い戦場から帰還した俺の手当をしながら、主がぽつりともらした。
「……そーね」
俺はそう答えたけれど、戦争が終わってしまったら戦うために存在している俺達は、一体どうなるんだろう。
俺達は “刀” で、主は “人間” で。
こんなに近くにいるのに、なんだか急に遠い存在のように感じてしまう。
「ねぇ、主」
「なぁに?」
「ずっと、俺達の主でいてよね」
主は一瞬キョトンとした後、
「当たり前だよ」
と微笑んで見せた。
このまま主の側に居られるなら、ずっと戦争が終わらなくなっていいって、そう思ってしまう俺を、どうか許して。
2022.5.31
目次に戻る
トップに戻る
ALICE+