甘え上手(凛月)
「なまえ〜」
廊下を歩いていると、後ろから凛月くんが体重を預けるようにして抱きついてきた。
「わっ! びっくりした……。凛月くん、どうしたの?」
「ねぇ、今日なまえの家に泊まっても良い?」
凛月くんは私のことをぎゅーっと抱きしめながら、肩越しに顔を覗かせてそう問いかけてきた。
「え? でも今日は木曜日じゃないよ?」
「うん。でもなまえと一緒に居たい気分なの。……だめ?」
甘えるような声でそう言って、凛月くんはこてんと首を傾ける。
そんな風に可愛くお願いされたら、駄目だなんて言えるわけがなかった。
「……いいよ」
私がそう答えると、凛月くんは満足そうに微笑んで、私から身体を離した。
「じゃあ、今日は一緒に帰ろうねぇ。またあとで〜」
上機嫌で去っていく凛月くんを、手を振って見送る。
きっと彼のお願いを断れる日なんて、一生やってこないんだろう。
※夢絵
2016.09.11
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