「パパー!!」
「え!? ぇええ!!??」

 ある日、天気が良いので散歩をしていると、突然壱が走り出した。
公園のベンチで休んでいたらしい、スーツの男性に抱き付いている。
慌てて走り寄り、壱を引き剥がした。

「す、すみません! 壱、パパじゃないでしょ? どうしたの?」
「こんにちは、 いやぁ、驚きましたよー。壱君、パパと間違えたのかな?」

 大人2人に挟まれて、ニコニコ嬉しそうに笑っている。

「高木刑事! お母さんと結婚して、僕のパパになって!」
「ぇえ!?」
「すみません、すみません」

 どうやら、壱のパパ探しアンテナに高木刑事がヒットしたらしい。
ぺこぺこ謝りながら、壱を諭そうとすると、

「あ! 元太くん達だ!」
「怪我しないようにね」
「はーい!」

 お友達を見つけたようで、ピューッと走って行ってしまった。

「とりあえず、お隣失礼します」
「あぁ、はい、どうぞ!」

 説明しなければ、と高木刑事の隣にお邪魔する。

「実は、壱は父親を知らないんです……」

 ……と、あらかたの何故、壱がパパ探しをしているか説明した。もちろん、本当の父親が誰かは伏せている。己の両親にさえ話してないのだ。

 高木刑事は納得した様子で、目を潤ませながら、うんうん頷いている。

「壱君のパパにはなれませんが、何か困った事があればこちらに連絡を下さい!」
「ありがとうございます」

 名刺を頂いた。
高木渉さん。下の名前は知らなかったな。

 高木刑事とは、毛利名探偵や蘭ちゃん達、またはコナン君達と話している時に、ポアロ前で何度かあった事がある。挨拶した程度で、その際にコナン君や子供達が高木刑事と口にしていた。

 ああでも、3度くらいお客様としてポアロに来てくれたかな。
恐らくは名探偵を待っていたのだろうけれど。

「おかあさーん!」
「はぁい」
「壱君はいつも元気が良くて、楽しそうですね」

 コナン君達とたまに高木刑事にお世話になっているみたいだ。
何気なく、微笑ましく壱を見つめながらの呟き。
本当に子供好きなんだなぁ。良い人感が溢れている。

「ふふ。ありがとうございます」
「わ、今声に出てました?」
「はい」
「少し恥ずかしいですね……」

 照れたように笑う高木刑事に、何年かぶりにキュンとした気持ちを味わった。

「おかあさーん、こっち来てー!」
「はいはい」

 心の中でよっこいしょ、と唱えながら立ち上がる。
高木刑事とは、ほぼ初めての長い会話に少々後ろ髪を引かれるが、我が子がブンブン手を振りながら呼んでいる。
何か面白い事があったのかな。

「壱が呼んでいるので失礼しますね。いつもあの子に優しくしてくれて有難うございます」
「いえ、こちらこそ、いつも子供達には元気を貰っているので」

 ぺこり、と軽く頭を下げる。すると高木刑事も立ち上がり、何度か頭を下げた。
その様子がまた面白くて、お互いに少し笑いあう。
その後、子供の呼ぶ方へと足を向けた。


「ハナさん、名刺の裏に気付いてくれるかなぁ」

 数日後、ハナは壱に強請られ高木刑事の名刺を渡していた。裏にはプライベートと思わしき番号が書いてある事に気付かずに…………。


 後日、高木刑事のプライベート携帯には壱からハナと3人で遊ぼうとお誘いの電話が掛かってくることになる。
母親には内緒の、子供からのサプライズデート。(3人で)


高木刑事
何度かポアロで見かけて気になっていた。優しそうで大和撫子系美人で空気が綺麗。
後からコナン君達と一緒にいる時に知り合った、壱君がハナの子供と知る。
人妻を好きになったと凹み諦めかけるが、まさかのパパ認定からの、実は未婚で父親はいないと知り、勇気を出してワンチャンを狙う。

ハナ
猫より犬派。
高木刑事には犬と壱を混ぜたようなトキメキを感じた。
つまりは母性愛?
愛には間違いない。
この後、息子からのサプライズデートが待ち構えている事を知らない。


高木刑事は警察の人!
警察は街を守ってる!
何度もコナン君や僕達を助けてくれた!
みんなも守ってる!
つまりはヒーロー!
イコール パパだ!!!





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