満たす
ナマエは、とても温かい。
朝、俺を起こす為に体に触れた時
昼間、隣同士でふと触れ合った時。
夜、抱きしめて眠る時。
ナマエはいつだって温かい。
温かで、柔らかで。
触れたい
触れていたい
もっと、もっと深くまで。
「……なぁ、ナマエ」
「んー?」
夜。
ベッドの上で後ろからナマエをぎゅうと抱き込む。
華奢な体の柔らかさとじんわりと伝わってくる温かさに少しだけ目を閉じた。
視界が閉ざされ、感じるのは……
柔らかさ、温かさ、そして……甘い香り。
ふわりとナマエから香ってくるその匂いに……身体の芯がずくりと疼きだす。
「……ナマエ」
「どうしたの?エース」
いつもと違う俺の声に、ナマエが不思議そうに振り向いた。
至近距離にナマエの顔。
首をひねり、きょとんと無防備に見上げてくるその顔に……ドクリと心臓が一度大きく鳴った。
眼に入ったのは……唇。
「……」
「んむ……っ!?」
はぷり、とその唇を食べる様に口付けて。
驚いて開いたその隙を狙って舌を差し込んだ。
顔を戻さない様に、手で顎を固定して、深く深く。
逃げる舌を追って、口内をむさぼる様にただ無心でキスをする。
嗚呼、この体制じゃ辛いだろうな、なんて気遣ってやる余裕すらなかった。
「はっ……」
「……っけほ!……っエース、突然どうし……」
「ナマエ」
相当苦しかったのか、ナマエの顎を抑える俺の手をぎゅうと掴んできたもんだから一時解放してやる。
突然入り込んできた空気にむせたのか、涙目になったナマエを……見ていられなかった。
後ろからナマエの肩に顔を埋め……名を呼べば、俺を非難しようとしていた言葉が止まる。
……やっぱり、ナマエは優しい。
突然こんなことしても、俺を気遣ってくれているのが痛い程わかるから。
そんなナマエを前にして……俺は、彼女に甘えるんだ。
「ナマエ……したい」
「え……」
「なぁ、いいか?」
ナマエの肩に顔を埋めたまま、すでに反り返った自身を抱きしめたナマエの腰へとすりつけるように少し動いた。
びくりと体を跳ねさせたナマエがカキンと固まって……きっと、じわりじわりとその顔が、耳が、赤く染まっているのだろう。
いつまでたっても初心な彼女に口元が弧を描く。
「駄目?」
「……っ」
顔を上げてみれば、やっぱりナマエは真っ赤に染まってて。
耳元で囁いてみれば、またビクリとその身体が跳ねた。
抱きしめていた腕を緩めて、その白く柔らかな太腿を撫でても……ぴくりと体を震わせるだけで抵抗は無い。
無言、抵抗無し。
それはナマエの静かな許可のサインだと気付いたのは、最近になってのことだった。
満たす
「ふ……う、ん……っ」
「声、我慢するなよ」
「で、でも……っ」
「大丈夫だって……誰もいねぇんだし」
ちゅっとキスを落としながら、耳元で囁けば……ナマエの顔は簡単に赤くなる。
久々の島へとたどり着いた船は、数人の見張りを残しほとんどが島へと降りていた。
隊長格は俺とあと二名を残し全員降りたため、この部屋の近くで眠っている者はいない。
今夜は余程の叫び声でもない限り、この可愛らしい声を他の野郎に聞かれることは無いだろう。
俺が見下ろす先には……生まれたままの姿のナマエの姿。
「ははっ、相変わらず可愛いな」
「も……っ気に、してるのに……っ」
俺の掌に丁度良いサイズのその胸は、ナマエにとっては少し気にしているらしいサイズで。
(そりゃあナースたちと比べたらなぁ……)
包み込む様に触れてみれば、ナマエの体の中でも酷く柔らかなそれは俺の手になじんだ。
少し力を入れると簡単に形を変えるそれには男の夢が詰まってる、ってサッチが言ってたけどあながち間違いでもないと思う。
ナマエの可愛い唇に何度もキスを落としながらふにふにと触れていれば……掌に感じた少し硬くなってきたもの。
それににんまりと笑みを浮かべてつまんでみれば……「ひぁ!」なんて可愛い声と共にもう片方のふくらみがふるりと震えた。
「ん……んっ」
「だから、声聞かせてくれよ」
「や、恥ずかし、い、から……っ」
相当恥ずかしいのか、両腕で顔を隠してしまったが……その行為すらいじらしく、可愛く感じてしまうのはもう末期だろう。
でも……その声を聞かせてくれねぇなら。
その可愛らしい顔を隠してしまうなら。
暴いてやりたくなるってのが男の本能で。
「わかった」
「っ!」
「じゃあナマエがいつまで我慢できるか、見ててやるよ」
手で触れている胸の、もう片方へと顔を寄せる。
小さく主張するそれを口に含んで舌で転がせば……あからさまにびくりと跳ねた細い身体。
「快感」に慣れていないナマエは、無意識だと思うけど必死で俺を離そうと、押し返そうと俺の頭に触れ力を込める。
けど、この行為を受け入れた時点で俺を拒絶できないナマエの力なんて……能力も使っていない女の力なんて屁でも無くて。
胸の飾りをネトリと舐めあげ……軽く甘噛みしてやれば「あっ」と小さな声を上げ大袈裟なまでに跳ねた。
それに気を良くした俺は、胸に触れていた手を少しずつ下へと降ろす。
なめらかな肌に触れ……くびれをなぞり、太腿を撫で……たどり着いたのは、ナマエの一番大事なところ。
「あっ……っや……」
「どうした?声漏れてるぞ?」
「ひん……っ、あ……っ」
下着すら取り払ったそこへと指を這わせれば、ぷくりと主張する芽に触れる。
こねて、摘んで、悪戯にそれに触れていれば……ぐちゅりと溢れだしたのは愛液だ。
自分の息が荒くなっていくのなんて自覚してる。
声を我慢できなくなってきているナマエが、弾む息が、潤む目が、赤くとろけるような表情に変わっていくその様が。
ぞくぞくと俺を刺激した。
「エー…ス……っん」
「ははっ……ほんと可愛いな……」
胸から顔を離し、再びナマエへと口付ける。
俺から、だけじゃない。ナマエも俺を求める様にキスを強張る姿が愛しくて。
痛いほどに勃ち上がった俺のモノがすんなり入る様に……ナマエのそこを慣らしていく。
指を二本入れて優しく動かせば、ぐちゅりと水音が聞こえる。
「ひ、あ……っ」
「熱……」
「あ……あ、あ、あ…っ」
恥ずかしさからか快楽からか。
ナマエの眼から溢れ出た涙を舐めとる。
その時
「っ、あ!!」
「ん、ここか」
一際、ナマエが声を上げた場所。
そこがナマエの一番良いところなんてのはもう解ってて。
一瞬ぎゅうと締め付けられた指に苦笑しつつも、そこを重点的に攻めていく。
涙が滲む、快楽に耐えるような表情が堪らない。
「気持ち良いか?」
「エ……−ス……っも、やぁ……っ」
ふるふると震え、俺を見上げてくるその眼は懇願している。
早く欲しいって、イキたいって。
ぐちゅと響く水の音。
部屋に充満するやらしい匂い。
俺の下には乱れるナマエの姿。
ナマエが……ナマエがこんなにも乱れているのが……俺の手によって、だと考えるだけで……。
ぞくぞくする。心が満たされて、自然と口元が弧を描く。
「欲しいか?」なんて囁けば、小さくコクリと頷いたナマエに……もう我慢なんて出来なかった。
「ああああ……っ!!」
「っ!」
ずぐり、と何の前置きも無くナマエの充分慣らされたソコに、痛いほど張りつめた俺のモノと突き刺した。
途端、襲ってくる暴力的なまでの快楽。
解けきったソコは俺のをあっけなく飲み込んで……ぎゅうと締め付けた。
トびそうになる。
歯を食いしばって堪えて……眼下のナマエを見やれば。
衝撃が強すぎたのだろか?
眼を見開き、ハクハクと口元が動く。
「ナマエ……っ」
「っあ……は…あ……っ」
「……悪い、もう、我慢できねぇ」
そう一言謝って、未だ快感の衝撃から抜け出せないでいるナマエをぎゅうと抱きしめて……動いた。
一度腰を引き、もう一度打ち付けてしまえば……もう俺の意思とは関係なく体は動きだす。
「はっ……う……く……っナマエ……ナマエ、ナマエ、ナマエ…っ!!」
「んあ、あ、やぁ、あ、あ、っ、あああっ!」
気持ち良い
パン、パンと部屋に水音と打ち付ける音が響く。
もう何も考えられないとでも言うように、只管に快感を得る様にナマエの秘部をむさぼる。
ナマエは嬌声を上げ、その声にまた思考が麻痺していく。
「エース、あ、エース、エース……っ!」
「ナマエ……っ好きだ、愛してる」
「エース……っわ、たし、も……っ」
愛してる。
そう言った途端、ナマエの身体は大きく跳ねて痙攣した。
身体を震わせ、俺のモノをぎゅうと締め付けてイった
その強さに、いっぱいいっぱいだった俺が耐えられるはずがなく。
「ひ、ああああああっ!」
「……っく!!」
ナマエの中で、俺も果てた。
ヒクリ、と名残を残す様に痙攣するナマエの中へ。
・・・ ・・・
ベッドの上、二人とも気だるい体を横にした状態で向き合っていた時の事。
「ナマエ、大丈夫か?」
「……ん、だいじょうぶ…」
あれから、俺が歯止めきかなくて……2度ほど無理をさせてしまった。
だって仕方なくね?
ナマエが溶けた表情で、目をとろんとさせて「エース」なんて呼んでみろよ、耐えられねぇから。
そんなナマエはベッドの上、俺の隣でぐったりしてて……その姿にちょっと、少し、申し訳なく思う。
「……悪ぃ、明日島に降りる予定だったんだろ?」
「ん……」
この島に立ち寄ると決まったとき、ナマエは行きたい場所があるとはしゃいでいたことを思い出した。
確か、ナースたちと一緒に回るって言ってたけど……この状態だと無理だろう。
それを本人も自覚しているのか、残念そうな表情に良心が痛む。
「あー、お詫びってわけじゃねぇけど、俺が連れてってやるから、な?」
「……エースが連れて行ってくれるの?」
「おう。俺なら背負ってでも行けるしな。どこでも付き合うからよ」
顔を上げたナマエの眼は期待に満ちていて。
そんな顔をされてしまえば、その期待に応えない訳にはいかなくなる。
「約束だよ……?」
「あぁ、約束だ」
眠いのか、ふにゃりと何処か幼く微笑んだナマエに、触れるだけの軽いキスを送る。
その丸い頭を撫でれば、気持ちよさそうに目を閉じた。
それを見て、俺はナマエの身体を引き寄せ、腕の中に閉じ込める。
静かな空間、穏やかな雰囲気。
腕の中には、柔らかで温かな……大事な物。
「……ナマエ」
「ん…なぁに?」
「好きだ」
「私も好きだよ」
穏やかな声で返されて、思わず泣きそうになった。
ぎゅうと抱きしめれば、胸元から聞こえる可愛らしいクスクスという笑い声。
触れたいものに触れられる
俺を拒絶したりしない
俺を疎んだりしない
俺を必要としてくれる
俺の欲しい言葉をくれる
俺を……愛してくれる
俺の、宝物
それが、この腕の中にいる
嗚呼それは……どんなに幸せなことだろう
「エース?」
「ん?」
「……泣かないで、エース」
「……泣いてねぇよ」
手を伸ばし、俺の目元に触れる温かい手。
視界が揺らぐのに気付かないふりをして……
俺は、その幸せを噛みしめながら、腕の中のお宝をもう一度抱きしめ……目を閉じた。
(満たされると言う幸せ)
END
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ゆめうつつ