「よ、そこのカワイーお兄さん。ナンパさせておくれ。」
「・・・は?迷子?」
「んー、もうそれでいいや。お兄さんと話せるなら。」
「なんなんだよ、このガキ・・・、」
「お兄さん炎の個性?」
「・・・そうだけどなんだよ。」
「んでもってヒーロー志望だな?」
「な、んで分かんだよ!きもちわりィな!!」
「わたしの考察眼なめんなよ、ガキ。」
「ガキはそっちだろ!?」
「ま、ヒーロー志望で個性訓練に励むのは悪くないけどね、限度知りな少年。身を滅ぼすやり方はやめなよ。ほら、ここらへん傷にはなってないけど赤くなって乾燥してる。」
「だからなんで、んなこと分かるんだよ・・・、」
「そりゃね、ここわたしの幼稚園の通り道なんだけどこの森よく燃えてるの。誰が燃やしてるんだろうかなって思えばまだまだ子供な君だったってわけ。こんな小さい体であの火力を出し続けるのは危険だよ。」
「俺が何しようがお前には関係ないだろ。」
「今すぐやめることをお勧めするよ。あんな身を滅ぼすようなやり方は痛い目見るよ。」
「そんなこというならどうすればいいってんだ!!!」
「うーん、そこだよね。難しいね、一緒に考えよっか。」
「は?お、俺の事なんも知らないくせに・・・、」
「うん、そうだね。だから話そう。私、顕雨幻。個性因子はあるらしいけどまだ発現してない。」
「・・・轟燈矢。個性 蒼炎。」
「一つ確認していいかな?君の体、個性のわりに炎の耐性無いっぽいんだけどなんで?」
「母さんの個性の氷結の体質が引き継がれてんだ。」
まじか。これだめだな。多分触れちゃいけねぇタイプのあれだったわ。流石に個性と体のデザインには突っ込めねぇよ。日本人に肌黄色ですね言ってるようなもんだぞ。
「な〜るほど。だからね、うん、なるほど。それじゃ自己紹介も終わった事だし考えよっか。じゃあ、これは前提として聞くけど君の目標は?」
「オールマイトを超えて一番になる。」
ハ?
「ふ、ふふふ、あはははは!!!なにそれ。」
「な、んだよ、結局お前も馬鹿にするつもりかよ!」
「私ヒーローにそこまで興味なくてね。よく分からないんだけど。オールマイトを超えるってどういうカンジ?今この世の中は平和の象徴に依存している。それだけが民衆の不安を拭う救いどころなんだ。だか平和の象徴を越えるなんて奴出てきたら世の中はぶっ壊れる。だからオールマイトを越えた平和の象徴なんてのは彼の引退を狙っていかないと難しいんじゃない?オールマイトとかいう私たちの傀儡を人間に戻そうとすることはまず無理と言えるね。それこそそんなのはヴィランの役目だ。」
「な、なにいって・・・・」
「だからさ、君アレだわ。まずはどれかの分野で一番になってみない?なんだっていいと思うんだ。そうだね、例えば私はこのヒーロー飽和社会で誰よりも社会を利用して金持ちになってやろうと思ってる。君は?」
「だから、オールマイトを越えたい、っていってんだろ。」
「・・・こういう事言っちゃダメなんだろうさ、その先に何があるんだろうね。No.1ヒーローにはどんな社会が見えてるんだか。知識があればある程絶望していく社会。そんなちっぽけな一番を手にした先に君は何を望むの?平和?んなわけないか。もう今の社会で分かるよね、オールマイトがいろうがいまいが敵は動く。個性を使うものはいる。」
とある風刺画そのものの社会。
「じゃあなんだよ、個性がなきゃ万々歳っていうのか?」
「そうとは言ってないじゃん。ゆーて生きてて変わんないでしょ、個性があるかないかなんてさ。個性があっても悪用するような奴は個性がなくとも悪用する。でも、個性のせいで悪さをしたり、個性のせいで悩んだりしてる人には手を差し伸べてあげたいよね。個性がない世界を見せて上げたくなる。それも私の目標かも知れないな。んで、これを踏まえて君の目標は?」
「俺は・・・どうしたら父さんに見て貰える・・・?」
「父さん?お父さん!?君そういう毒親育ち!?」
まじすか。うわ〜〜〜ちょっと首突っ込んできた事後悔してきたよ、私。ここまでナイスガイ少年の闇深いと思わないじゃん。
「・・・うん、話聞かせてよ。ここまできたら最後まで聞くしかないじゃん?」
「俺の父さんは・・・ヒーローで、オールマイトを越えることが目標なんだ。でも父さんじゃ限界があるから、俺が越えるんだ!俺に火をつけたのは父さんなんだ!!でも、父さんは俺じゃヒーローになれないって、そういうんだ。」
「え、きも」
「え?」
「なにそれきっつ。私嫌いなんだよね。自分が出来ないこと子供にやらせる親。」
私それで死んだし。しかもあいつ自分の失敗娘に押し付けたんだよ。まじ許せないよな。
「で、でも父さんは・・・、」
「その父さんとやらに憧れてるみたいだけどさ、正味憧れる要素どこ?あんの?」
「そ、れは・・・で、でも!凄いんだぞ!二番目だけど凄い強くて格好良いんだ!」
「それはヒーローとしての父さんでしょ。親としての父さんのどこに憧れたの?」
「・・・・、」
「クソみてぇな親だな。その人ってのは、ヒーローとしては一流かもしれない。でも、親としては三流以下だ。」
私んとこよりはマシだけどね。職人としても親としても三流以下だったもん。ま、今のママとパパはちょー優しくて私のこと大事にしてくれてるんだけどねー!
「じゃ、おれ、どうすればいいの、どうやって、」
与えられた道が一つしかないと道が潰れた時、立ち止まるしかなくなる。そこでまた一から道を作れるほど復帰できればいいけど獣道を選んでしまうかもしれない。だから、
「カチコミ行くぞ、少年。」
「え!?」
「てめーん家にカチコミだ。」
「で、でも!」
「別にガチで殴り込みに行く訳じゃない。ちゃんと策を練った上でのカチコミだよ。これは君にも当てはまる事だから覚えときなね。