出会い
頭がガンガンする。視界が真っ黒だ。
手足がふわふわして何も見えない。何か掴まれるものはないかと手を伸ばすと襖のようなものに触れた。手当たり次第にそれを横に滑らせる。外の世界なら何か見える?そう思いながら手をかけた先でその場にへたり込んだ。
足元がヒヤリとしてそのまま意識を失った。
-------
「不審者発見!」
遠くから声がする。ここはどこだ?何もわからないまま周りを見る。何かの建物?周りには綺麗に繕われた庭が悠然としていた。振り向くと学生がこちらに走ってくるのが見える。
何がなんだからわからない。ただ逃げなきゃ!と思うのに足がすくんで動けなかった。
「誰だ?」
「私は…っ!」
「…?」
「…っ」
口が途中まで動くのにその後の言葉がでてこない。
私は″誰″?
「…やはり不審者か。江戸様のところに連行しよう」
「な、なにっ!離して!」
そういうと男はひょいっと私を俵抱きにして持ち上げた。
手足をばたつかせてもびくともしない。
どこに連れて行かれる!?
暴れる私をものともせず男たちは長い廊下を進み続けている。
「どこから来た?」
「どこって…」
(あれ?どこだ?)
黙った私を不審そうに見ている。
「…意味がわからないな」
それはこっちの台詞だ。
なんで私が誰かなのかもどこから来たのかもわからない?
何もわからないのに頭だけがずっとズキズキしている。
歩みに合わせて上下する視界のまま考え続ける。けれど考えても考えても全く何も思い出せない。
----
「降りろ」
どれくらい移動したのだろう。
降ろされたのはきちんとした襖の前だ。
「江戸様、不審者がおりまして…」
「……あー?適当に牢屋ぶち込んどけ」
一テンポ置いて返事が返ってくる。気だるそうな声と物々しい単語に目を見開く
牢屋!?何もしていないのに!?たまったものではない!
「ちょっと!」
「おい、暴れるな!」
牢屋だなんて言ったやつに文句を溢そうと襖を開く。
テレビの前に座っていたのは黒髪の男と小さな男の子だった。
彼らは私を視認すると驚いたように目を少し開いた。私のことを上から下まで見回して口を開く。
「………何でここにいる?」
「なんで…って」
そんなの私が知りたい。
「きんり…むぎゅ」
「みーとーちょっと黙っとけ」
江戸、と呼ばれた男の後ろから明るい声が聞こえた。すぐに黒い男に止められてしまったが。
「あんたこそ…誰?」
高圧的な態度に屈するか!と声を絞り出す。黒い男は目を細めた。
「はっ誰だと?」
「……っ」
「何にも覚えてなさそうだな。引きこもりのお姫様?」
嫌な言い方にムッとする。馬鹿にしていることがはっきりしていた。黒髪の男は入り口に護衛がいることを思い出すと気だるげに言った。
「あーー紀州と尾張呼んでこい」
「はっ…」
「そのまま帰っていいぞー」
----
江戸と呼ばれた男が呼んだのは2人だった。
「御用ですか。江戸さん」
「なーにー?江戸くん」
緑色の髪をした男と黄髪の男が現れる。そして2人とも私を見てびっくりしたような顔をした。
「え」
「…なんでかなあ?」
「えー僕子供のお守りはやだなあ 。尾張くんは何するかわからないから論外として」
みなっ!?何で貴様にそんなこと言われなきゃいけないんだ!できる!」
「水戸くんはなー…」
「ひどいぜ紀州くん」
「まあ…無難に彦根くんでいいんじゃない?」
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徒野
手足がふわふわして何も見えない。何か掴まれるものはないかと手を伸ばすと襖のようなものに触れた。手当たり次第にそれを横に滑らせる。外の世界なら何か見える?そう思いながら手をかけた先でその場にへたり込んだ。
足元がヒヤリとしてそのまま意識を失った。
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「不審者発見!」
遠くから声がする。ここはどこだ?何もわからないまま周りを見る。何かの建物?周りには綺麗に繕われた庭が悠然としていた。振り向くと学生がこちらに走ってくるのが見える。
何がなんだからわからない。ただ逃げなきゃ!と思うのに足がすくんで動けなかった。
「誰だ?」
「私は…っ!」
「…?」
「…っ」
口が途中まで動くのにその後の言葉がでてこない。
私は″誰″?
「…やはり不審者か。江戸様のところに連行しよう」
「な、なにっ!離して!」
そういうと男はひょいっと私を俵抱きにして持ち上げた。
手足をばたつかせてもびくともしない。
どこに連れて行かれる!?
暴れる私をものともせず男たちは長い廊下を進み続けている。
「どこから来た?」
「どこって…」
(あれ?どこだ?)
黙った私を不審そうに見ている。
「…意味がわからないな」
それはこっちの台詞だ。
なんで私が誰かなのかもどこから来たのかもわからない?
何もわからないのに頭だけがずっとズキズキしている。
歩みに合わせて上下する視界のまま考え続ける。けれど考えても考えても全く何も思い出せない。
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「降りろ」
どれくらい移動したのだろう。
降ろされたのはきちんとした襖の前だ。
「江戸様、不審者がおりまして…」
「……あー?適当に牢屋ぶち込んどけ」
一テンポ置いて返事が返ってくる。気だるそうな声と物々しい単語に目を見開く
牢屋!?何もしていないのに!?たまったものではない!
「ちょっと!」
「おい、暴れるな!」
牢屋だなんて言ったやつに文句を溢そうと襖を開く。
テレビの前に座っていたのは黒髪の男と小さな男の子だった。
彼らは私を視認すると驚いたように目を少し開いた。私のことを上から下まで見回して口を開く。
「………何でここにいる?」
「なんで…って」
そんなの私が知りたい。
「きんり…むぎゅ」
「みーとーちょっと黙っとけ」
江戸、と呼ばれた男の後ろから明るい声が聞こえた。すぐに黒い男に止められてしまったが。
「あんたこそ…誰?」
高圧的な態度に屈するか!と声を絞り出す。黒い男は目を細めた。
「はっ誰だと?」
「……っ」
「何にも覚えてなさそうだな。引きこもりのお姫様?」
嫌な言い方にムッとする。馬鹿にしていることがはっきりしていた。黒髪の男は入り口に護衛がいることを思い出すと気だるげに言った。
「あーー紀州と尾張呼んでこい」
「はっ…」
「そのまま帰っていいぞー」
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江戸と呼ばれた男が呼んだのは2人だった。
「御用ですか。江戸さん」
「なーにー?江戸くん」
緑色の髪をした男と黄髪の男が現れる。そして2人とも私を見てびっくりしたような顔をした。
「え」
「…なんでかなあ?」
「えー僕子供のお守りはやだなあ 。尾張くんは何するかわからないから論外として」
みなっ!?何で貴様にそんなこと言われなきゃいけないんだ!できる!」
「水戸くんはなー…」
「ひどいぜ紀州くん」
「まあ…無難に彦根くんでいいんじゃない?」
徒野